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- そもそもわらびとは?
- わらびのカロリー・脂質・糖質は?
- わらびの栄養とは?
- わらびの効能とは?
- わらびの簡単レシピが知りたい
わらびはそれほどひんぱんに食べる食材ではないですよね。わらびの旬は3~6月ごろなので、春から初夏にかけてスーパーで見かけることが多いです。早い地域だと2月ごろから採れるところもあります。
そんなわらびですが「食物繊維」「葉酸」「ビタミンE」など、しっかりとりたい栄養素が入っています。しかも脂質や糖質はほぼゼロで低カロリーなので、ダイエット中でもおいしく食べられます。
このページでは「わらびの栄養・効能」「わらびのカロリー・脂質・糖質」「わらびをおいしく食べる簡単レシピ」などについてご紹介しています。
わらびとは?食べられる山菜のひとつ
わらびとは「シダ植物」のひとつです。シダ植物のおもな特徴は下記3つ。
- 種ではなく胞子で増えるため花が咲かない。
- 葉っぱ・根っこ・茎(くき)の区別がハッキリしている。
- 維管束(いかんそく)※がある。
維管束とは、葉っぱ・根っこ・茎(くき)のすべてを通っているパイプのような組織のことです。水分や養分を全体に流す役割があります。
食べられるシダ植物は「ぜんまい」などもあります。「わらび」も「ぜんまい」も山菜として食べられる美味しい植物です。ちなみに「わらび餅(もち)」は「わらびの根っこ」からとれる「でん粉」を使ってつくられているのでわらび餅といいます。
わらびを食べるときに気をつける点は「プタキロサイドという毒をもっていること」です。そのため、生のまま食べるとよろしくありません。わらびは「あく抜き」をして食べるのが一般的です。あく抜きをすれば安全に食べることができるので安心してください。
植物は、動物や昆⾍から種⼦、実、若芽等を⾷べられないようにするため、⾃ら天然毒を作ることがあります。⼭菜のワラビにもプタキロサイドという天然毒が含まれていることが知られていますが、伝統的なあく抜きによって安全に⾷べることができます。
わらびの毒性やあく抜きの必要性については「ワラビをあく抜きしないとどうなる?毒性や発がん性物質を取りのぞく方法は?」で紹介しています。あく抜き方法もまとめているので、参考にしてください。
CHECK ワラビをあく抜きしないとどうなる?毒性や発がん性物質を取りのぞく方法は?わらびのカロリーは?糖質・脂質は少ない
まずはわらびのカロリー・脂質・糖質を見ていきましょう。
生わらびのカロリー・脂質
まずは「生わらび(干していないわらび)」のカロリー・脂質から見ていきましょう。
- カロリー :19kcal
- 脂質 :0.1g
- 糖質 :0.4g
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/ゆでていない状態
100gで19キロカロリーということは、1本あたりたったの1.9キロカロリーです。脂質は1本あたり0.01g、糖質は1本あたり0.04gです。
干しわらびのカロリー・脂質
- カロリー :216kcal
- 脂質 :0.7g
- 糖質 :3.4g
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/ゆでていない状態
100gで216キロカロリーということは、1本あたりたったの2.16キロカロリーです。脂質は1本あたり0.007g、糖質は1本あたり0.034gです。
生わらび・干しわらびともに「カロリーも脂質も糖質も少ないヘルシーな野菜」といって良いですね。
わらびの栄養素は?食物繊維が多いのが特徴
わらびは干したほうが全体的に栄養素がアップします。水分が抜けて栄養が凝縮されるからです。干したわらびを「干しわらび」、干していないわらびを「生わらび」といいます。
生わらびの栄養素
まずは「生わらび(干していないわらび)」のおもな栄養素から見ていきましょう。
- たんぱく質 :2.4g
- 食物繊維 :3.6g
- カリウム :370mg
- カルシウム :12mg
- マグネシウム:25mg
- リン :47mg
- βカロテン :220μg
- ビタミンK :17μg
- ビタミンB2 :1.09mg
- ビタミンE :1.6mg
- 鉄 :0.7mg
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/ゆでていない状態
干しわらびの栄養素
つぎに「干しわらび」のおもな栄養素を見ていきましょう。
- たんぱく質 :20g
- 食物繊維 :58g
- カリウム :3200mg
- カルシウム :200mg
- マグネシウム:330mg
- リン :480mg
- βカロテン :1300μg
- ビタミンK :180μg
- ビタミンB2 :0.46mg
- ビタミンE :4.6mg
- 鉄 :11mg
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/ゆでていない状態
生わらびと比べて栄養素の数値が高いのが分かります。「干ししいたけ」や「ドライフルーツ」もそうですが、干すだけでこれほど栄養価がアップするなら、干したものを食べるほうが栄養は摂取しやすいですね。
生わらび・干しわらびの栄養素やカロリー比較
生わらび・干しわらびの100gあたりの栄養素を比較してみました。ゆでるとカリウムや葉酸などの栄養素がいくらか水に溶け出すので、下記の栄養素すべてを摂取できるわけではありません。そこは注意ですね。
100gあたりの 栄養素 |
干しわらび (ゆでる前) |
生わらび (ゆでる前) |
---|---|---|
カロリー | 216kcal | 19kcal |
たんぱく質 | 20g | 2.4g |
カルシウム | 200mg | 12mg |
マグネシウム | 330mg | 25mg |
ナトリウム | 6mg | ほぼ0 |
リン | 480mg | 47mg |
鉄 | 11mg | 0.7mg |
葉酸 | 140μg | 130μg |
亜鉛 | 6.2mg | 0.6mg |
ビタミンK | 180μg | 17μg |
ビタミンB2 | 0.46mg | 1.09mg |
ビタミンE | 4.6mg | 1.6mg |
βカロテン | 1300μg | 210μg |
食物繊維 | 58g | 3.6g |
カリウム | 3200mg | 370mg |
脂質 | 0.7g | 0.1g |
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/どちらもゆでる前(調理前)の状態
生わらび・干しわらび5本あたりの栄養素やカロリー比較
わらびは一度に大量摂取する食材ではありません。食べても数本ですよね。また、干しわらびは生わらびよりも軽いため、同じ100gでも本数がかなり違います。
干しわらび1本は1g、生わらび1本は10gだから・・・
同じ100gでも干しわらびは100本、生わらびは10本になるね。
干しわらび100本の重さ=生わらび10本の重さ=100g
ってことだね。干すと軽くなるからちょっとややこしいね・・・。
そこで、生わらび・干しわらび5本あたりの栄養素も比較してみました。干しわらび5本は約5g、生わらび5本は約50gほどになります(多少の誤差あり)。
5本あたりの 栄養素 |
干しわらび (乾燥状態) |
生わらび (ゆでる前) |
---|---|---|
カロリー | 10.8kcal | 9.5kcal |
たんぱく質 | 1g | 1.2g |
カルシウム | 10mg | 6mg |
マグネシウム | 16.5mg | 12.5mg |
ナトリウム | 0.3mg | 0 |
リン | 24mg | 23.5mg |
鉄 | 0.55mg | 0.35mg |
葉酸 | 7μg | 3.5μg |
亜鉛 | 0.31mg | 0.3mg |
ビタミンK | 9μg | 8.5μg |
ビタミンB2 | 0.023mg | 0.545mg |
ビタミンE | 0.23mg | 0.8mg |
βカロテン | 65μg | 105μg |
食物繊維 | 2.9g | 1.8g |
カリウム | 160mg | 185mg |
脂質 | 0.035g | 0.05g |
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/どちらもゆでる前(調理前)の状態
全体的にみて干しわらびのほうが栄養素が少し高い感じですね。売られている干しわらびは熱湯でゆでてキレイにあく抜きをしたものを乾燥させているので、あく抜きがめんどうな場合は干しわらびがオススメですよ。
ちなみに、干しわらびはゆでると約12倍の重さになるので1本12gほどになります。生わらびをゆでると11~12gほどになるので、ゆでるとほぼ同じ重さになります。
生わらびをゆでると栄養素は減る?
生わらびをゆでると、減る栄養素もあります。わらびはあく抜きが必須ですが、あく抜きで水に浸す時点で、すでに栄養素は減っています(水に溶け出す)。
生わらびをゆでたときの栄養素の変化を見ていきましょう。干しわらびをゆでた場合の数値は厚生労働省の資料に載っていませんが、生わらびと同じくらい栄養素の変化がありそうですね。
100gあたりの 栄養素 |
生わらび (ゆでた後) |
生わらび (ゆでる前) |
---|---|---|
カロリー | 14.3kcal | 19kcal |
たんぱく質 | 1.65g | 2.4g |
カルシウム | 12.1mg | 12mg |
マグネシウム | 11mg | 25mg |
ナトリウム | ほぼ0 | ほぼ0 |
リン | 26.4mg | 47mg |
鉄 | 0.66mg | 0.7mg |
葉酸 | 36.3μg | 130μg |
亜鉛 | 0.55mg | 0.6mg |
ビタミンK | 16.5μg | 17μg |
ビタミンB2 | 0.05mg | 1.09mg |
ビタミンE | 1.3mg | 1.6mg |
βカロテン | 176μg | 210μg |
食物繊維 | 3.3g | 3.6g |
カリウム | 11mg | 370mg |
脂質 | 0.11g | 0.1g |
※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/どちらもゆでる前(調理前)の状態
ゆでると水に栄養素が溶け出すので、減る栄養素もあります。葉酸やカリウム、ビタミンB2などは水に溶けやすいので、大幅に減っているのが分かりますね。リンやβカロテンもすこし減少しています。生のまま食べるわけにはいかないので、ある程度は仕方ありません。
わらびの効能とは?
わらびに含まれている栄養素から、わらびに期待できる効能を見ていきましょう。全体的な栄養素がものすごく多いというわけではありませんが、わらびは「食物繊維」「ビタミンE」「葉酸」が多く含まれています。
食物繊維で生活習慣病のリスクを減らせる
食物繊維は生活習慣病の予防に役立つ(糖分やコレステロールなどの余分なものを体外に出してくれる)だけでなく、便通をうながしてくれる作用もあります(日本人の食事摂取基準2020年版/特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラムより)。食物繊維が不足すると「便秘になりやすくなる」「生活習慣病のリスクが増える」可能性があります。積極的に摂取したい栄養素ですね。
食物繊維は1日の推奨量が「18g(成人女性の場合)/21g(成人男性の場合)」です。ゆでた生わらびを「100g(8~9本くらい)」食べれば14~16%ぶんの食物繊維が摂取できるということですね。
ビタミンEで細胞を若々しくたもてる
ビタミンEは「抗酸化作用(こうさんかさよう)」があります。私たちの身体は酸化することで老化が進んだり、生活習慣病のリスクが増えたりしますが、ビタミンEは酸化から身体を守ってくれる作用があるんですね(日本人の食事摂取基準2020年版/特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラムより)。
ビタミンEは1日の推奨量が「5~6mg(成人女性の場合)/6~7mg(成人男性の場合)」です。ゆでた生わらびを「100g(8~9本くらい)」食べれば、女性なら21~26%ぶん、男性なら18~21%ぶんのビタミンEが摂取できるということですね。
葉酸で酸素が全身にまわるのを助ける
葉酸は赤血球の働きを助ける役割があります(「栄養素等表示基準値」農林水産省資料より)。赤血球は全身に酸素をはこぶ大事な細胞です。酸素がないと人は生きていけないので、元気に動き回るためにも必要な栄養素のひとつです。
葉酸は1日の推奨量が「240μg(成人の場合)」です。ゆでた生わらびを100g(8~9本くらい)食べれば15%ぶんの葉酸が摂取できるということですね。
注意したいことは「わらびをたくさん食べたからといって生活習慣病を完全に予防したり治したりはできない」ということです。何でも食べ過ぎはよくないですし、栄養はありますが薬ではありません。ふだんからバランスよくいろいろな食べ物を食べていきましょう。
わらびの食べ方【簡単レシピ2選】
わらびの美味しい食べ方をご紹介します。一人暮らしでもラクにつくれる簡単レシピを厳選しました。
①わらびのおひたし【調理時間:5分/寝かせる時間:数時間】
- 鍋かタッパーかジップロック(=わらび+めんつゆを入れる容器)
- わらび:1~2たば(お好み)
- めんつゆ:わらびがしっかり浸せるていど(お好み)
- 水:めんつゆが濃いときに薄める用
- かつお節(なくてもOK)
【わらびのおひたし】つくり方の手順
複雑な作業はいっさいないのでとてもラクなレシピです。めんつゆが染みこむまで時間がかかるので、前日に仕込んでおくと次の日おいしく食べられますよ。
②わらびの炊き込みご飯【調理時間:10分/炊ける時間:1時間前後】
- 炊飯器
- お米:2合
- わらび:1たば(お好み)
- しいたけ:適量(なくてもOK)
- 油揚げ:適量(なくてもOK)
- にんじん:適量(なくてもOK)
- うすくちしょうゆ:大さじ2杯くらい
- 料理酒:大さじ2杯くらい
- みりん:大さじ1杯くらい
- 水:ご飯を炊く用
炊き込みご飯は多めにつくっておけば数日間は食べられる(ラップなどにくるんで保存)ので、一人暮らしでも2~3合いっきに炊くのがオススメです。
【わらびの炊き込みご飯】つくり方の手順
炊き込みご飯は「しいたけ」「油揚げ」「にんじん」などの具材が入ったほうが味わい深くておいしくなりますよ。ない場合は入れなくても良いですが、ちょっと物足りない感じになります。(^^;)
まとめ
今回は「わらびの栄養・効能」「わらびの簡単レシピ」などをご紹介しました。なかなか食べる機会のないわらびですが、抗酸化作用のあるビタミンEが多く入っているので、チャンスがあれば食べてみましょう。
わらびはあく抜きがめんどうですが、すでにあく抜きが完了している「干しわらび」などを上手につかって美味しく食べましょう。