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ワラビをあく抜きしないとどうなる?毒性や発がん性物質を取りのぞく方法は?

わらびのあく抜き方法

  • ワラビをあく抜きしないとどうなる?
  • ワラビの毒性とはどんなもの?
  • ワラビ中毒とはなに?
  • ワラビのあく抜き方法が知りたい。

ワラビはあく抜きするのが一般的です。というより、毒性があるのであく抜きするべきです。農林水産省も「毒のある山菜はあく抜きして食べましょう」と注意をうながしています。ですが、わざわざあく抜きするのがめんどうだな・・・と思っている方もいますよね。

結論からいうと、あく抜きせずにワラビを食べると「プタキロサイド」という発がん性物質を取り込むことになるんです。味にも苦み・エグみがあって美味しくないです。食べたからといってすぐにどうにかなるワケではもちろんないですが、あく抜きしないワラビを大量に食べるのはよくありません。

このページでは「ワラビをあく抜きしないとどうなるのか?」「ワラビの毒性とはどんなものなのか?」などについてまとめてみました。「ワラビのあく抜き方法」も紹介しているので、参考にしてください。

ワラビをあく抜きしないとどうなる?

ワラビには「プタキロサイド」「チアミナーゼ」が含まれています。そのため、あく抜きをしないと下記のリスクがあります。

がんの発症率が上がる可能性がある

ワラビのあく抜きは「プタキロサイド」という自然毒を消す役割があります。「プタキロサイド」は発がん性があるため、あく抜きをせずに大量に食べ続けるとがんの発症率が上がる可能性があるんですね。あく抜きをすればプタキロサイドはほぼ消えるので、あく抜きすれば問題ありません。

あく抜きが大事!あく抜きすれば安全に食べられるよ。

とはいえ、がんの原因は体質や生活習慣なども含めてさまざまですしワラビの「プタキロサイド」を食べたからといってすぐにがんになる、絶対にがんになる、という話ではありません。「発がん性物質だから、あく抜きして摂取を避けたほうが良いよね」という話です。

そもそも、発がん性のある食べ物はワラビだけではありません。たとえば、発がん性のある物質「アクリルアミド」はさまざまな加工食品に含まれていますし、炭水化物を多く含む食べ物を焼いたり揚げたりすることでもアクリルアミドがつくられるという研究結果もあります。

完全に食べないことはできませんし、ワラビの場合はあく抜きをすれば大丈夫なので、あまり悩まずに・・・とりあえず、しっかりあく抜きして食べましょう。

ビタミンB1が壊され、脚気になる可能性がある

ワラビのあく抜きは「チアミナーゼ」という酵素を消す役割があります。「チアミナーゼ」はビタミンB1を分解する作用があるので、とりすぎると「脚気(かっけ)」になる可能性もあります。

「プタキロサイド」「チアミナーゼ」については下記でくわしく説明しているので、どのような毒性があるのか理解しておきましょう。知っておくと安心できますし、極端に怖がる心配もなくなりおいしくワラビが食べられますよ。(^^)

ワラビの毒性2つ

ワラビには注意すべき毒性が2つあります。それぞれ見ていきましょう。

1.プタキロサイド

プタキロサイド

1つめは「プタキロサイド」です。プタキロサイドはわらびが持っている「自然毒」です。自然毒とは、植物や動物がもともとから持っている毒のことです。ほかの動物から食べられないように毒を持っているんですね。そうしないと、どんどん食べられて絶滅してしまうかもしれないですしね。

さらにプタキロサイドは「発がん性」があることで知られているので「発がん性物質」でもあります。発がん性物質とは、がんの発症率を上げてしまう物質のこと。正常な細胞をがんに変化させる性質があるので、大量にとりつづけるのは避けたい物質です。

プタキロサイド (ptaquiloside) とはワラビに含まれている発癌性物質で、ノルセスキテルペン、配糖体の一種。

参照:Wikipedia「プタキロサイド」

とはいえ、発がん性物質をとると必ずガンになると言い切ることはできません。まいにち大量にとり続けるとよくないかもしれませんが・・・それぞれ体質や生活習慣などもちがうので、ひとくくりにはできませんね。

不摂生でも長生きする人もいるし・・・人間って不思議。

プタキロサイドは水に溶けやすいので、あく抜きするとほとんど流れ出ていきます。あく抜きをきちんとして、まいにち大量に食べ続けなければ大丈夫です。

ヒトが食べる際には、灰汁抜きの際にプタキロサイドはほとんど流出するため、少量なら問題はない。

参照:Wikipedia「プタキロサイド」

2.チアミナーゼ(アノイリナーゼ)

チアミナーゼ

2つめは「チアミナーゼ」という酵素です。むかしは「アイノリナーゼ」といわれていました。チアミナーゼは「ぜんまい」などにも含まれています。「ビタミンB1」を分解してしまう性質があるので、食べ過ぎると「脚気(かっけ)」になる可能性があります。「脚気」の症状は「だるい」「食欲がない」「手足がしびれる」「足のむくみ」などです。

チアミナーゼは熱に弱く、加熱すればビタミンB1を分解する作用も消えます。そのため、あく抜きすれば問題ありません(あく抜きは熱湯をつかうため)。

ちなみに「毎日だるい」「食欲がない」などの症状が続く原因は「ビタミンB1不足」が原因の場合があります(一概には言えませんが・・・)。現代の日本人は女性・男性ともに20~30%ほどビタミンB1が足りていないという結果が出ている(「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」より)ので、豚肉や鮭など、ビタミンB1が多い食べ物もバランスよく食べましょう。

ワラビなどの山菜に含まれるチアミナーゼは味をそこなうだけでなく、ビタミンB1を分解する作用があるため、多く摂取すると脚気を引き起こす。

参照:Wikipedia「灰汁」

ワラビ中毒とは?

ワラビ中毒とは、1960年代に発生したワラビの大量摂取による中毒です。馬や牛がワラビを大量に食べたところ、出血や血尿、骨髄の機能に障害が起こったりしました。人間も、あく抜きせずにワラビを大量摂取した場合も中毒症状が起こります。

注目すべき点は「あく抜きしていないワラビを一度に大量摂取」という部分です。たとえば牛は1日の食事量が人間とくらべてとても多いです。乾燥した草だと15キロほど、青草だと50~60キロほど食べたりします。

ワラビは1本10g前後です。15キロのワラビは1500本前後です。牛の食べたワラビが1キロだとしても100本です。一度にそれほど大量に、しかもあく抜きしていないワラビを食べる人はいませんよね。

あまり神経質にならずに、普通にあく抜きして食べれば食物繊維をふくむ美味しい山菜です。ワラビを食べるときは一度に大量に食べ過ぎず、あく抜きはしっかり行ないましょう。

ワラビのあく抜き方法

ワラビのあく抜き方法をご紹介します。重曹を使った方法が一般的に知られている方法ですね。

重曹を使ったあく抜き方法

重曹

用意するもの
  • ワラビ:好みの量
  • 水:ワラビ全体が浸かるほど
  • 重曹:水1Lにたいして小さじ1杯くらい
  • 鍋:ワラビがすっぽり入る大きめがオススメ

重曹を使ったあく抜き手順を見ていきましょう。半日から一晩おくので、食べる場合は余裕をもって前日からあく抜きするのがオススメです。

STEP.1
手順1
ワラビを水で洗う。
STEP.2
手順2
「頭の開きすぎた部分」と「根本の固い部分」を切り落とす。こうすると食感がよくなりますが、好みなので切り落とさなくてもOK。
STEP.3
手順3
大きめの鍋に水をたっぷり入れて沸騰させる。※ワラビがすっぽり入る鍋+ワラビがぜんぶ浸るほど多めの水。
STEP.4
手順4
沸騰したら重曹を入れる(水1Lに対して小さじ1杯くらい。2Lなら小さじ2杯)。ワラビもすぐに入れる。※ワラビは完全に浸るようにしてださい。
STEP.5
手順5
10秒たったら火をとめる(柔らかくしたい場合は20秒くらい)。
STEP.6
手順6
そのまま半日から一晩くらい放置する。※ワラビが水から出ないように注意。
STEP.7
手順7
お好みの柔らかさになったらあく抜きは完了。
STEP.8
手順8
水であく抜き後のワラビをしっかり洗う。
STEP.9
手順9
水に浸した状態で、密封容器&冷蔵庫に保存。食べるぶんだけ出して使う。※水を替えれば3~5日ほどもちますが、風味がおちるので早めに食べましょう。

重曹を入れすぎたり、沸騰したまま放置するとワラビが柔らかくなりすぎてドロドロになってしまうこともあります。ほどよい柔らかさが美味しいので、そこは注意しましょう。

まとめ

ワラビやぜんまいを食べたからといって、すぐに身体になにか起こるわけではありません。しっかりあく抜きをして大量に食べ過ぎなければ問題ありません。食べ過ぎがよくないのはワラビだけではなく、すべての食べ物に言えることです。

いままでワラビの食べ過ぎで人間がどうにかなった、という話も聞きませんよね。1960年代に起こったワラビ中毒は人間ではなく牛や馬です。牛や馬は生えている草を大量に食べます。そのなかにワラビが大量にあった結果、ワラビ中毒になったというのが真相です。しかもあく抜きしていない生のワラビを大量に食べたので中毒症状が起こってしまったんですね。

どんな食べ物も食べ過ぎはよくありません。適度にバランスよく食べることで栄養素もバッチリ摂取できます。ふつうに食卓で出されるくらいのワラビの量ではワラビ中毒にはならないので、安心しておいしく食べましょう。乾燥ワラビは身体に良い「食物繊維」を多く含んでいるので、適度に摂取すると良いですね。