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- 植物油脂とは何?
- 植物油脂って体に悪いの?
- 植物性油脂ってニキビ・肌荒れの原因になるの?
チョコレートやクッキーなどのお菓子に入っている「植物油脂」。食べていたチョコレートの成分表を見たら砂糖より植物油脂が多く入っていたんです(砂糖よりも先に記載されていた)。
そこで「ん?!植物油脂とは何だろう?」と気になったので調べてみました。
どこかで「植物油脂が体に悪い?」という話も聞いたことがありましたが・・・何がどうして悪いと言われているのかまとめてみました。
植物油脂とは?植物から採った油脂のこと
植物油脂とは「植物から抽出した油脂」のことです。植物から抽出した油脂とはどのようなものがあるのか?具体的に見ていきましょう。
植物から抽出した油脂の種類
植物から抽出した油脂の種類は、たとえば下記があります。
- オリーブ油
- サラダ油
- エゴマ油
- ごま油
- 菜種油
- カカオ脂(ココアバター・カカオバターとも言う)
- ヤシ油(ココナッツオイル)
- コーン油
- サフラワー油
- 椿油
- ひまわり油
- パーム油(アブラヤシの果実からとる)
- パーム核油(アブラヤシの種からとる)
- 大豆油
- アボカド油
- 綿実油
- こめ油
上記はすべて植物から採取できる油脂です。たとえば「エゴマ油」はシソ科の植物であるエゴマの種からとれる油です。また「パーム油」はアブラヤシの果実からとれる油です。
ちなみに「ヤシ油」と「パーム油」は似ていますが別物です。「ヤシ」を英語で「パーム」と言うので同じものと勘違いされがちです。「ヤシ油」はココナッツの果実からとれる、いわゆる「ココナッツオイル」ですね。
また「パーム油」と「パーム核油(かくゆ)」も違います。「パーム油」はアブラヤシの果実で「パーム核油」はアブラヤシの「種」からとれます。
このように、植物の果実や種から色々な「油脂」が採取できるんですね。オリーブ油やサラダ油など、食用の植物油脂のことを「食用植物油脂」と言ったりします。
植物油脂の作り方とは?
植物油脂は植物からとれますが、どのような手順で作られるのでしょうか?見ていきましょう。
植物油脂は「植物油」「植物脂」の2種類に分けられる
「植物油脂」は2種類に分けられます。「植物油」と「植物脂」です。植物油と植物脂をまとめて植物油脂と言うんですね。2つの違いは「常温で液体か個体か?」という点です。
「植物油」は常温で液体のもの
常温で液体になるものを「植物油」と言います。植物油はたとえば下記があります。
- オリーブ油
- サラダ油
- エゴマ油
- アマニ油
- ごま油
- 菜種油
- コーン油
- サフラワー油
- 椿油
- ひまわり油
- パーム核油(アブラヤシの種からとる)
- 大豆油
- アボカド油
- 綿実油
- こめ油
オリーブ油やサラダ油は常温でもサラサラしています。これらは「植物油」なんですね。
「植物脂」は常温で個体のもの
常温で個体のものを「植物脂」と言います。植物脂はたとえば下記があります。
- ヤシ油(ココナッツオイル)
- パーム油
- カカオ脂(ココアバター・カカオバターとも言う)
「植物油脂と植物油の違いって何?」と気になっている方も多いですが、つまり「植物油脂のなかで、常温で液体になるのが植物油である」ということになりますね。
まとめると・・・
- 植物油脂とは植物からとれる油脂である。
- 植物油脂とは「植物油」「植物脂」の総称である。
- 「植物油」は常温で液体のものを指す。
- 「植物脂」は常温で個体のものを指す。
植物油脂は危険で体に悪い?肌荒れやニキビの原因になる?
植物油脂は「植物からとれる油脂」だということが分かりました。ですが、植物油脂にかんしては不安な意見が多く見られます。
- 植物油脂は危険なのでは?
- 植物油脂は体に悪いって本当?
- 植物油脂は肌荒れやニキビの原因になる?
などです。
植物油脂は危険?体に悪いの?
植物油脂が危険というより「植物油脂にふくまれているトランス脂肪酸の取りすぎが危険」という話です。
以前はそれに加えて「植物油脂を加工してつくられる加工油脂のとりすぎ」が危険という話もありました。「加工油脂」とは「マーガリン」「ファットスプレッド」「ショートニング」などです。
加工油脂は「トランス脂肪酸」が多くふくまれているためとりすぎは体に良くないと言われていたのですが、企業努力でトランス脂肪酸の少ない加工油脂が増えています。
「トランス脂肪酸」については後述しています。
油なので、もちろん毎日大量に取りすぎると体には悪いです(どんなものでも取りすぎはよくないです)。ですがふつうに適量を料理に使うのは問題ないでしょう。気になるのはやはり「トランス脂肪酸の量」ですね。
植物油脂は肌荒れやニキビの原因になる?
油や脂肪分の取りすぎは肌荒れやニキビの原因のひとつ、というのは一般的によく言われていることです。植物油脂は油なので、取りすぎると肌荒れやニキビの原因になる場合もあると言えます。
とはいえ、肌荒れやニキビの原因はひとつではありません。寝不足やストレスや食べ過ぎ、ホルモンバランスなど色々な要素が考えられるため「肌荒れやニキビは油のせい」と一概には言えません。
ですが、チョコレートやお菓子をパクパク食べていたら「いつの間にかニキビできてる・・・!」というのはよくありますね。(^^;)そんなときはやっぱりチョコレートやお菓子(=植物油脂や加工油脂が多く使われている)の食べ過ぎを疑っちゃいますね。
植物油脂のカロリーはどれくらい?
植物油脂のカロリーはすべて「1g=約9キロカロリー」です。どんな種類の植物油脂も同じです。
つまり大さじ1杯が15gだとすると、大さじ1杯のカロリーは約135キロカロリーということになります。
大さじ1杯ならカロリーは多くありませんが、バシャバシャと使いすぎると増えていくので注意しましょう。カロリーが気になる場合は植物油脂よりも食品にふくまれる油脂に気をつけたほうが良いですね。
植物油脂は目に見えるので「大さじ1杯」とハッキリ分かりますが、たとえば肉や魚には油脂がどれくらいふくまれているのかハッキリは分かりません。お菓子などもそうですね。お菓子には植物油脂がたくさん入っている場合が多いので、気づかないうちに高カロリーになっているかもしれません。
植物油脂の1日の摂取量はどれくらい?
脂質の摂取量は1日に50g前後が目安です。この50gとは料理に使う植物油脂やバター、食品じたいにふくまれている脂質も入っています。植物油脂だけで考えるなら基本は大さじ1杯、多いときで2杯くらいにしておけば良さそうですね(大さじ1杯=約15g)。
揚げ物など料理によっては油が多く必要なときもあります。次の日は油をひかえめにするなど臨機応変に対応しましょう。
トランス脂肪酸とは?体に悪いの?
植物油脂について分かったところで、つぎはトランス脂肪酸について見ていきましょう。
トランス脂肪酸とは?
「トランス脂肪酸」とは「不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)」の一種です。「脂肪酸」とは、食べ物における「脂肪」を構成している成分のひとつです。
トランス脂肪酸と植物油脂の関係とは?
植物油脂はつくる工程でニオイを取りのぞくために高温処理をします。そのときにトランス脂肪酸がつくられる場合があります。そのため、多くの植物油脂はトランス脂肪酸をふくんでいるんですね。
高温処理をしない製造方法でつくられたオイルはトランス脂肪酸をふくんでいません。トランス脂肪酸が気になる場合は「エクストラバージンオイル」などがオススメです。
また、植物油脂を加工してつくる「加工油脂(マーガリン・ファストスプレッド・ショートニングなど)」は、加工方法によってはトランス脂肪酸が大量にできてしまうことがあります。
トランス脂肪酸は体に悪いの?
「トランス脂肪酸」をとりすぎると体に悪影響が起きるという研究結果があります。海外では下記のような疾患の可能性があるという研究結果が出ています。
- 心筋梗塞
- 肥満
- アレルギー性疾患
なぜ海外の研究結果なのかというと、日本人はトランス脂肪酸の摂取量が海外より少ないからです。アメリカやカナダなどではトランス脂肪酸の使用が禁止されていますが、これは脂肪を摂取する量が多く、その結果トランス脂肪酸の摂取量も増えて健康被害が起きたからです。
日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないため、海外と同じような健康リスクがあるかはハッキリと明言できないようです。とはいえ「トランス脂肪酸のとりすぎはよくない」という事実はハッキリしていますね。
お菓子やパンを食べすぎてしまう人はトランス脂肪酸を取りすぎている可能性もあるので注意しましょう。なにごとも適量が大事です。
平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした諸外国の研究結果によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされています。また、肥満やアレルギー性疾患についても関連が認められていますが、糖尿病、がん、胆石、脳卒中、認知症などについての関連は分かっていません。こうした研究結果は、トランス脂肪酸の摂取量が、平均的な日本人よりも相当程度多いケースの結果であり、平均的な日本人の摂取量においては、これらの疾患リスクとの関連は明らかではありません。
トランス脂肪酸は添加物なの?
トランス脂肪酸は添加物ではありません。
トランス脂肪酸の1日の摂取量はどれくらい?
「WHO(世界保健機関)」はトランス脂肪酸の摂取量を「総エネルギー摂取量の1%未満にする」ことを推奨しています。「総エネルギーの1%」がどれくらいかというと、1日あたり約2gです(性別や年齢によって違うのであくまで参考の数値)。
たとえば、食用の植物油脂は「100gあたり平均0.91g」のトランス脂肪酸がふくまれています。※
食品名 | トランス脂肪酸の量 (食品100gあたり) |
脂質の量 (食品100gあたり) |
---|---|---|
植物油脂 | 0.91g | 100g |
出典:農林水産省HP:食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度 ※2014~2015年の調査のためあくまで参考値。
つまり、植物油脂を毎日100g摂取してもトランス脂肪酸の摂取量は上限2.0gに届きません。200g以上だと1.82g以上になるのでギリギリです。一般家庭だと1日でそんなに大量に油を食べることはほぼないですね(植物油脂は大さじ1杯で約15g)。
それでもトランス脂肪酸がふくまれていることは事実です。気になる場合は「エキストラバージンオリーブオイル」など化学的処理を行なっていない油を使いましょう。加熱処理もしていないので、トランス脂肪酸が発生していない油です。
トランス脂肪酸は何にふくまれているの?
では、トランス脂肪酸は何にふくまれているのでしょうか?植物油脂とトランス脂肪酸の関係などもくわしく見ていきましょう。
トランス脂肪酸には「①天然のもの(自然に存在するもの)」「②油脂を製造したときにできるもの」「③油脂を加工したときにできるもの」があります。
①自然に存在するトランス脂肪酸
「牛肉」「羊肉」「牛乳」「乳製品」などにはトランス脂肪酸が少しふくまれています。牛や羊などの「反芻(はんすう)動物」は微生物の働きによってトランス脂肪酸が作られるからです。
牛や羊は一度飲み込んだ食べ物を口に戻して、もう一度かむという作業をします。これを「反芻(はんすう)」と言います。すると胃のなかで微生物が働いて、トランス脂肪酸を生み出すような仕組みになっています。
天然の不飽和脂肪酸は、通常シス型で存在します。しかし、牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が天然に含まれています。
とはいえ、天然でふくまれているトランス脂肪酸は少しです。たとえば「牛肉」や「乳製品」などのトランス脂肪酸を見てみると、それほど多くないのが分かります。
食品名 | トランス脂肪酸の量 (食品100gあたり) |
脂質の量 (食品100gあたり) |
---|---|---|
牛肉(和牛) | 0.29~0.77g ※部位によって違う |
18.6~47.0g ※部位によって違う |
牛乳 | 0.089g | 3.9g |
プロセスチーズ | 0.89g | 25.8g |
ナチュラルチーズ | 0.81g | 26.8g |
ヨーグルト | 0.087g | 3.5g |
出典:農林水産省HP:食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度 ※平成18~19年度の調査のためあくまで参考値です。
チーズが少し多いように感じますが、100gといえば約1箱です。けっこうな量ですよね。200g・・・つまり2箱で摂取量の上限ギリギリですね。
②油脂の製造過程でできるトランス脂肪酸
植物油脂や魚油などを製造するとき「嫌なニオイ」を消す作業があります。高温で処理することでニオイを取りのぞくことができますが、高温にさらされるとトランス脂肪酸ができる場合があります。
そのため、できあがったごま油や菜種油などにもトランス脂肪酸がふくまれていることが多いんですね。
③油脂を加工するときにできるトランス脂肪酸
油脂を加工したものを「加工油脂」と言います。加工油脂とは「マーガリン」「ファストスプレッド」「ショートニング」などです。
「マーガリン」や「ファットスプレッド」の原材料は植物油脂や動物油脂が主です。油脂は常温で液体のものが多いため、使いやすいように固体にします(パンに塗りやすくする)。
液体から固体にするために、油脂に水素を注入します。「水素添加」と言いますが、油脂に水素を添加することでトランス脂肪酸ができる場合があります。
このことから「マーガリン」「ファットスプレッド」「ショートニング」はトランス脂肪酸が多くて危険だと言われてきたんですね。
また、加工油脂を使ったパンやケーキや洋菓子などにもトランス脂肪酸がふくまれていることになります。加工油脂はパンづくりやお菓子づくりによく使われているんですよね。
自分でマーガリンなどを使う場合は「今日はこれくらいにしよう」と調整できますが、市販のお菓子はどれくらい入っているか分かりません。
食べすぎないようにするか、植物油脂や加工油脂が入っていないお菓子を選ぶと安心ですね。安くて美味しいお菓子にはほぼ植物油脂や加工油脂が入っているので探すのが難しいかもしれませんね。
昔は加工油脂にふくまれるトランス脂肪酸がとても多かったのですが、最近はとても少ないです。商品によってはバターのほうがトランス脂肪酸が多かったりするほどです。
「トランス脂肪酸が気になる」という消費者の声にこたえて、各企業が努力してトランス脂肪酸の少ない加工油脂を開発しています。
チョコレートやお菓子の植物油脂は原料・成分が不明?
チョコレートやお菓子に入っている植物油脂の原料は「不明」です。植物油脂は植物からとれる油脂なので、植物由来であることは間違いないのですが・・・。
植物油脂は「オリーブ油」や「大豆油」「パーム油」など色々な種類がありますが、食べ物に入れるときは「どの植物の油脂なのか」書かなくても良いんですね。
また、チョコレートやお菓子に何gの植物油脂が入っているかも不明です。いくつかパッケージの成分表を見てみましたが、分量までは分かりませんでした。
チョコレートやお菓子には植物油脂が大量に入っていることが多いです。私もよく食べていたチョコレートの原材料名を確認したところ、かなり前のほうに「植物油脂」と書かれていました。油脂がそれほどたくさん入っているとは知らなかったのでビックリした記憶があります。
原材料名は「量が多い順」に書かれているので、私が食べていたチョコレートは「植物油脂」がかなり多く入っていたことが分かります。知らないうちに脂質をたくさんとっていたんですね・・・。
チョコレートに植物油脂を入れる目的は「口溶けをよくするため」です。本来であれば「ココアバター(カカオバター)」を入れることで上質な口溶けを再現するのですが、ココアバターは高価です。ココアバターはカカオ豆にふくまれる油分ですが、カカオ豆から半分ほどしかとれません。
つまり、ココアバターの代用品として植物油脂が使われているんですね。バターの代わりに比較的安いマーガリンを使うのと同じです。
こだわりの強いメーカーさんや高級チョコレート専門店などは植物油脂を使わずココアバターのみを使っているところもあります。
いまは色々な食品に植物油脂が使われているので、いつの間にか脂質を取りすぎている場合も多いです。ある程度は問題ありませんが、取りすぎないように成分表をチェックしつつ選ぶのが良いですね。
植物油脂が入ってないお菓子はある?
植物油脂が入っていないお菓子もあります。市販のものをいくつかご紹介しますね。
1.明治「ミルクチョコレート」
「明治」のミルクチョコレートは植物油脂が入っていません。ココアバターだけで口溶けを再現しています。同じ明治でも「ハイミルクチョコレート」「ブラックチョコレート」などは植物油脂が入っているので注意してくださいね。
大手のお菓子メーカーなのでスーパーやコンビニでも買えるのがうれしいですね。市販のチョコは植物油脂がほとんど入っているので、ここまで美味しくて安くて植物油脂が入っていないのはスゴいですね。
2.森永「カレ・ド・ショコラ~カカオ70~」
「森永」の「カレ・ド・ショコラ~カカオ70~」は植物油脂が入っていません。しかも砂糖よりカカオマスが多く入っているのでカカオポリフェノールもバッチリです。
同じカレ・ド・ショコラでも「マダガスカルホワイト」「カカオ70&アーモンド」などは植物油脂が入っています。
カカオが多いので上品なコクがあります。砂糖ひかえめで甘すぎない美味しさです。
カレ・ド・ショコラは「カカオ88」もあります。「カカオ88」は甘さが減りますが「カカオ70」よりもカカオポリフェノールが多いので体に良いです。もちろん植物油脂は入っていません。砂糖の量が少ないのでダイエット中のおやつにオススメです。
まとめ
脂質は私たちが生きていくうえで大事な栄養素のひとつでもあります。取りすぎはよくないですが、調整しつつ摂取していきましょう。トランス脂肪酸はとくに取りすぎないように、なるべく控えるほうが良いですね。