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カカオからチョコレートができるまでの製作過程をまとめてみました。
私たちが美味しくいただくチョコレートができるまでは「発酵」「乾燥」「皮むき」など多くの作業が必要なんですよね。
ラグビーボールのような形をした「カカオの実」からすぐに甘くて美味しいチョコレートができるワケではないので、知っておくとチョコレートを食べるのが楽しくなりますよ。
カカオからチョコレートができるまでの製造過程
カカオからチョコレートになるまでの製造過程をご紹介します。
こうして見ると、かなり手間がかかっているのが分かります。「カカオがあればすぐできる!」というワケではないんですね。
それでは、もう少しくわしく見ていきましょう。
1.カカオ農園でカカオの実を収穫
まずはチョコレートの原材料である「カカオ豆」を取り出すために「カカオの実」を収穫します。「カカオ豆」は「カカオポッド」とよばれる「カカオの実」のなかに入っています。
「カカオポッド」は「カカオの木」に実り、人の手でひとつひとつ収穫されます。カカオ農園は山奥にあることが多く、色々な地方に存在します。日本でも「なし農園」「ぶどう農園」「りんご農園」などがありますが、各地に農園がありますよね。それと同じです。
カカオのおもな生産地
カカオのおもな生産地は「コートジボワール」「ガーナ」「ナイジェリア」「カメルーン」「エクアドル」「ブラジル」「インドネシア」です。
上記7ヵ国だけで、カカオ豆の総生産9割ほどを占めています。日本では「ガーナチョコレート」などが有名ですね。
カカオは熱帯植物なので、平均気温が27℃以上の温かい地域で育ちます。高温多湿で赤道の南北緯度20度以内が条件にピッタリなのでアフリカや東南アジア、中南米で多く生産されているんですね。
カカオの実「カカオポッド」とは?
「カカオ豆」が入った「カカオの実」を「カカオポッド」といいます。ラグビーボールのような形をしています。緑色や黄色や赤色など、とても色あざやかでキレイです。
じっさいにチョコレートの原材料として使われるのは「カカオポッド」のなかにある「カカオ豆」です。そのため、カカオポッドからカカオ豆を取り出す作業が必要になります。
2.カカオポッドからカカオ豆とパルプを取り出す
カカオポッドのなかには「白い果肉(パルプ)」が入っています。「房(ふさ)」のような形をしており、このパルプのなかにカカオ豆が入っているんですね。パルプが「果肉」で、じつはカカオ豆は「種」なんですね。
割ったら分かりますが、カカオポッドの皮は1センチ以上あり、分厚く頑丈でしっかりしています。カカオポッドにはカカオ豆が20~40粒ほど入っています。
ちなみに、パルプは果肉なので食べられます。ライチみたいな味でちょっぴり甘酸っぱいです。
3.カカオ豆を発酵させる
取り出したカカオ豆とパルプといっしょに発酵させます。「バナナの葉」や「木箱」「麻袋」などにくるんで発酵させる方法が一般的です。発酵期間はだいたい1週間ほど。地域によって少しやり方が違います。
発酵はカカオ豆をつくるのにいちばん重要な工程です。チョコレートの独特の良い香りをつくり出すのに大事な作業です。カカオの香りは食欲をそそるというか「チョコ食べたい!」と思わせる良い香りですよね。この発酵作業によってつくられているんですね。
チョコレートは発酵食品
「発酵」という言葉でピンときた方もいると思いますが・・・じつはチョコレートは「発酵食品」なんですね。発酵食品といえば「納豆」「ヨーグルト」などが思い浮かびますが、チョコレートもなんですね。意外な事実です。
発酵をつづけると、だんだんと色が茶色っぽく変わってきます。
4.発酵させたカカオ豆を乾燥させる
つぎに、発酵させたカカオ豆を乾燥させる作業です。乾燥させる理由は2つ。
- 発酵による腐敗をとめるため。
- 水分を6~8%以下にするため。
あまり発酵させすぎると腐ってしまいます。乾燥させることで発酵をとめ、腐るのを防ぎます。また、カカオ豆を世界各地に輸送するため水分を抜く作業が必要です。
水分を抜くことで長期間の保存ができるようになりますし、袋に入れて各国に運びやすくなるんですね。
カカオ豆の乾燥は広い台に置いて太陽の光で乾かしたり、ビニールハウスのなかで乾燥させたりと色々です。乾燥には約1週間ほどかかります。
かき混ぜたりして、均等に光が当たるように作業したりもします。
チョコレートは収穫してすぐに食べられるワケではなく、人の手で収穫+発酵1週間+乾燥1週間・・・と、かなり時間がかかっているんですね。
カラカラになるまで乾いて水分が抜けたら乾燥作業は完了です。乾燥が終わると悪いカカオ豆を取りのぞいたり、ゴミなどを取りのぞく作業をはさみます。品質チェックですね。
悪いカカオ豆を取りのぞいておかないと、次の工程で焙煎したときに焦げてしまいます。1つの豆が焦げると全体に悪影響を及ぼすので、しっかりチェックされます。
この時点で袋につめられて、世界各国に輸出されます。
5.カカオ豆を焙煎(ばいせん)する
つぎにカカオ豆を焙煎(ばいせん)します。焙煎することでカカオ独特の味わいや風味を最大限に引き出すことができます。コーヒーもそうですよね。焙煎することで風味がきわだちます。
焙煎することを「ロースト」と言ったりしますが、ローストの強さや時間でカカオ豆のもつ味わいが少しずつ変わるのも面白いです。「発酵」と同じく大事な行程のひとつです。
温度は110~130℃くらい、時間は30分以上です。45~60分以上かけて焙煎する場合もあります。
焙煎は各店舗でやり方が違います。パティシエやシェフ、お店独自の個性が出る部分ですね。
6.カカオ豆から皮を取りのぞく
カカオ豆は「皮(ハスク)」でおおわれており、カカオ豆の中には「胚芽(ジャーム)」があります。ハスクとジャームを取りのぞくために、カカオ豆を機械で細かく砕きます。
ハスクとジャームをキレイに取りのぞかないと、チョコレートのあのなめらかな舌触りが再現できません。
ハスクとジャームを取りのぞいて細かくチップ状に砕いたカカオ豆を「カカオニブ」と言います。
木くずみたいな、チョコチップみたいな見た目になりましたね。コレが「カカオニブ」です。ここで色々な地方のカカオニブをブレンドしたりします。
混ぜ合わせることで、できあがるチョコレートが深い味わいになったりするんですね。このブレンドも個性が光る部分です。色々な組み合わせがありますからね。
そして、この「カカオニブ」をすりつぶすことで「カカオマス」をつくっていきます。
7.カカオ豆をすりつぶしてカカオリカー(カカオマス)にする
カカオ豆を機械ですりつぶします。カカオ豆は約40~50%が「カカオバター」と呼ばれる油分です。そのため、細かくすりつぶすとカカオバターが溶け出して、ドロドロした液体のようになります。
このように、カカオ豆をすりつぶしてペースト状(液体)にしたものを「カカオリカー」と言います。「カカオリカー」を固形にしたものを「カカオマス」と言います。
▼カカオマス(カカオ100%!)
ここまでくると、私たちがよく食べているチョコレートができるまであと少しです。
8.カカオリカーとココアバターを分離
「カカオリカー」に圧力をかけてしぼると「ココアバター(カカオバター)」がつくられます。ココアバターはカカオ豆の脂肪分で、天然の植物性オイルです。しぼりたては薄い黄色ですが、処理すると白色で無味無臭になります。
▼ココアバター
ココアバターは常温だと固まっていますが、34℃くらいで溶け出します。34℃というとちょうど人の体温より少し低いくらいですね。
カカオ豆には40~50%ほどココアバターが含まれていますが、チョコレート独特のなめらかな口溶けに欠かせないのがこの「ココアバター」です。チョコレートは口にふくむとトロ~リとろけてきます。ココアバターのおかげなんですね。
チョコレートは「カカオマス」に「ココアバター」「砂糖」「乳製品」などを加えてつくられます。
9.カカオマスとココアバター・砂糖・乳製品などを混ぜ合わせる
カカオマスと「ココアバター」「砂糖」「乳製品」などを混ぜ合わせて「チョコレート」をつくります。カカオマスだけだと甘さがありませんが、砂糖や乳製品を足すことで甘くて美味しい「ミルクチョコレート」などができあがるんですね。
そして「カカオマス」「砂糖」「乳製品」「ココアバター」などをどれくらい入れているかで「ダークチョコレート」「ミルクチョコレート」など分類が変わってくるんです。
ちなみに「ホワイトチョコレート」にはカカオマスが入っていません。ホワイトチョコレートの主成分は「ココアバター」です。だから白いんですね。
あとは型に入れたり、丸めたり、それぞれのメーカーやお店で独自のチョコレートを仕上げていきます。
まとめ
今回は「チョコレートができるまで」の工程を大まかに説明しました。もっとくわしく説明すると、チョコレートをなめらかにするためにローラーで薄くのばしたり・・・など、細かい作業も入ってきます。
一般のチョコレート好きとしては、チョコレートができるまでの大まかな流れが分かっていれば良いかなと思います。
チョコレートができるまでの工程を知らないときは、カカオポッドが直接チョコレートの原料になるのかな?とか、カカオポッドを砕いたら中から茶色い「チョコレートのもと」になる固形物が出てくるのかな?と思っていた時期もありました。
チョコレートのつくりかたを知ってから食べると何だか感動しますね。日本ではガーナチョコレートが有名ですが、色々な地方のカカオ豆をつかった色々なチョコレートを食べ比べするのも美味しそうですね♪