- カニはアニサキスの心配はない?大丈夫なの?
- カニは生で食べられるの?刺身や生食は危険?
- カニはアニサキス以外に危険な寄生虫はいないの?
魚やカニのお刺身ってすごく美味しいですよね。
ですが、心配なことがひとつ。それは「アニサキス」です。「アニサキス」を生きたまま食べてしまうとお腹がめちゃくちゃ痛くなったりする(激痛!)ので、できれば避けたいところです。
サバやアジなどを生で食べたとき、寄生していたアニサキスを食べてしまった話はよく聞きます。「じゃあ、カニはアニサキス大丈夫なの?」「カニの刺身や生食は危険なの?」と気になっている方も多いです。
結論からいうと、カニはアニサキスの心配はほぼありません。
カニはアニサキス大丈夫なんだね。じゃあ生で食べられるのかな?
このページでは「カニはアニサキスの心配はないのか」「カニは生で食べられるのか」「カニの刺身や生食に危険はないのか」「アニサキスを殺す方法」などについてまとめています。
安心&安全な食べ方を知って、美味しい魚介類を思いっきり味わいましょう。(^^)
カニはアニサキスの心配ない?大丈夫なの?
結論からいうとカニはアニサキスの心配はほとんどありません。
なぜ心配ないのでしょうか?「海水に住むカニ」「淡水に住むカニ」それぞれの理由を見ていきましょう。
カニは「海水」に住む種類と「淡水」に住む種類がいるよ。
海水に住むカニ:アニサキスの心配ほぼなし
「海水」に住む食用のカニは、たとえば下記の種類がいます(一部です)。
- ズワイガニ
- 紅ズワイガニ
- タラバガニ
- 毛ガニ
- イバラガニ
- アブラガニ
- 花咲ガニ
これら海水(海)に住んでいるカニについては、アニサキスの心配はほぼありません。
関連記事 タラバガニ1キロはどれくらい?何人前?【一人前が何キロか分かる早見表】アニサキスは「甲殻類(カニやエビなど)」「貝類(アサリなど)」には寄生しないからです。「カニを食べてアニサキスの症状が出た」という話は聞きませんよね。
アニサキスの被害はだいたい「生魚」だよね。
「鮭イクラ丼」で発症したって話もあったなぁ・・・。
アニサキスがよく寄生しているのは「カツオ」「イワシ」「アジ」「鮭」「サバ」「サンマ」などの魚や「イカ」、そして「クジラ」「イルカ」などの海洋ほ乳類です。
どのような経緯でアニサキスが寄生するのかを見てみましょう。
このようなサイクルでグルグル循環しています。
カニは海の底に住んでいるので、サバやアジとは食べるエサが違います。アニサキスをふくんだエサを食べる機会がないので、寄生しないんですね。
【アニサキスが寄生するサイクル】
・クジラやイルカの体内でアニサキスが卵をうむ。
⇓
・クジラやイルカが排便し海中に卵が出る。
⇓
・海中で孵化(ふか)して幼虫になる。
⇓
・オキアミなどが幼虫を食べる(体内で幼虫が成長)。
⇓
・サバやカツオなどの魚がオキアミを食べる(魚の内臓にアニサキスが寄生)。
⇓
・クジラなどが寄生されたサバやカツオを食べる(体内で成虫になり産卵)。
ちなみに「鮭イクラ丼」を食べてアニサキスが体内に入ったというのは「品川庄司」の庄司智春さんが話していました。地方ロケで「鮭イクラ丼」を食べたところ、アニサキスがいたようで・・・
すさまじい激痛で、夜中に飛び起きたそうです。5分ごとに襲ってくる激痛・・・想像しただけでも恐ろしいですね。。。
合計8匹もアニサキスが入っていたんだって。痛いハズだよね・・・。
谷岡慎一アナもイクラのお寿司でアニサキスが体内に入ったようで、1匹だったけれど内臓がよじるほど痛かったそうです。
鮭にはアニサキスが寄生していることがあるので、その流れでイクラにも付着してしまうことがあるんでしょうね。
売られているイクラは冷凍されているものが多いし、チェックもされているから大丈夫。
市場で採れたてすぐ!みたいなものは冷凍も加熱もしていないから、しっかり目でチェックしたほうが良いかも。
淡水に住むカニ:アニサキスの心配ほぼなし
「淡水」に住む食用のカニは、たとえば下記の種類がいます(一部です)。
- モクズガニ
- サワガニ
淡水に住んでいるカニについてもアニサキスの心配はほぼゼロです。
なぜなら、アニサキスは海水で生きる寄生虫だからです。淡水では生きることができないんですね。つまり、淡水には最初からアニサキスがいないので寄生される心配がないというワケです。
「淡水」は塩分がほとんどない水のコトだよ。「海」ではなく「川」だね。
とはいえ、魚の場合はリスクがまったくゼロというわけではありません。
川はどこかで海とつながっているからです。川と海が交わる場所に住んでいる魚はアニサキスが入り込む可能性があるので、淡水といえども注意が必要です。
魚にかんしては「淡水に住んでいるからアニサキスは絶対にいない」と決めつけないように注意しましょう。
カニは生で食べられるの?刺身や生食は危険?
結論からいうと、「海水に住んでいるカニ」は生で食べられます。
とはいえ、生で食べるには「鮮度」がとても大切です。魚や貝などは、とったばかりで活きの良いものは生で食べることもありますよね。新鮮な海のカニなら、生でも美味しくいただけます。
・・・が、生モノは食あたりが絶対ないとは言いきれません。少しでも鮮度が落ちてしまったカニは生で食べないようにしましょう。
「牡蠣(かき)」なんかでも食あたりになる人がいるしね。
生のカニが売られていることは少ない
スーパーなどで見かけるカニはほとんど「茹でたカニ」です。水揚げしてからすぐに業者さんが茹でたものですね。
プロの業者さんがイイ感じの塩加減で茹でてくれているよ。
カニは死んでから劣化するのが速いです。つまり、すぐに鮮度が落ちるので、生のまま市場に出回ることは少ないですね。そのため、新鮮なうちに茹でてしまいます。
茹でたあとに急速冷凍してから市場に出回ることがほとんどです(冷凍すると長期間保存できる)。
漁港の近くなら、新鮮なまま生のカニを食べるチャンスもありますが・・・ふつうのスーパーなどでは難しいですね。
ですが、生のカニを美味しく食べるチャンスがあります。それは「生食用のカニ」を取り扱っているカニ通販の店舗を利用する方法です。
カニ通販の店舗を利用すれば「生のカニ」を安心・安全に食べることができるよ。
オススメは「かに本舗」の「刺身用ズワイガニ」です。生食用のカニはトロッとして美味しいんですよね。「かに本舗」の特徴については「カニ通販おすすめ店舗3選【種類・サイズ・価格など徹底比較】」でまとめています。
CHECK カニ通販おすすめ店舗3選【種類・サイズ・価格など徹底比較】
生食用・刺身用のカニは珍しいから売り切れていることもあるよ。注意してね。
海のカニは生でも大丈夫ですが、問題は川に住んでいるカニです。
カニに危険な寄生虫はいる?人体に害はある?
「カニはアニサキスの心配がほぼない」という話をしましたが、じつはアニサキス以外の危険な寄生虫が潜んでいる場合があるんです。
「海に住んでいるカニ」には寄生虫の心配はありませんが「淡水(川)に住んでいるカニ」に注意が必要です。
海に住んでいるカニに危険な寄生虫はいない
「海」に住んでいるカニは、人体に悪影響をおよぼす危険な寄生虫はいません。
海に住んでる食用のカニは、上のほうでも書きましたが「ズワイガニ」「タラバガニ」「毛ガニ」「花咲ガニ」などです。
これらのカニは寄生虫がいないため、新鮮なものなら生で食べることができるんですね。
川に住んでいるカニは危険な寄生虫がいるので注意
いっぽう「川」に住んでいるカニは、人体に悪影響をおよぼす危険な寄生虫がいる可能性があります。
川に住んでいる食用のカニは「サワガニ」「モクズガニ」などですね。川のカニは「肺吸虫(はいきゅうちゅう)」「大複殖門条虫(だいふくしょくもんじょうちゅう)」が寄生している可能性があります。
肺吸虫(はいきゅうちゅう)とは?症状と予防方法
川のカニに寄生する寄生虫ひとつめは「肺吸虫(はいきゅうちゅう)」です。「肺吸虫」によって起こる症状を「肺吸虫症(はいきゅうちゅうしょう)」と言います。
どんな虫?
色は赤褐色で、卵の形に似た円形をしています。「ウェステルマン肺吸虫」「宮崎肺吸虫」などの種類があります。
「肺吸虫症」は、寄生された魚をヒトが食べることで発症することがあります。
とくに、川に生息する「モクズガニ」「サワガニ」から感染することが多いです。モクズガニは「ウェステルマン肺吸虫」に寄生され、サワガニは「ウェステルマン肺吸虫」「宮崎肺吸虫」どちらも寄生します。
「ウェステルマン肺吸虫」は体長7~16ミリ&体幅4~8ミリで「宮崎肺吸虫」は体長7~8ミリ&体幅3~4ミリです。けっこう太い&大きいですよね・・・。
肺吸虫はその名のとおり「肺」に寄生することが多いですが「脳」「胸腔」「腹腔」などに寄生することもあります。
どんな症状を引き起こす?
「肺吸虫」によって起こる症状は「創傷性肝炎」「腹膜炎」「胸水貯留」「気胸」「発熱」「咳」「血痰」などです。もし脳へ侵入した場合は「頭痛」「吐き気」「てんかん」「視力障害」などを起こすリスクもあります。
予防方法は?
予防するには「55~60℃で5分以上加熱する」ことが有効です。また触った調理器具はキレイに洗うようにしましょう。
寄生されたモクズガニ・サワガニをヒトが食べることで感染しますが、イノシシ肉や豚肉から感染するパターンもたまにあります。
イノシシや豚が寄生されたモクズガニ・サワガニを食べる⇒その肉をヒトが食べる・・・で感染するパターンです。寄生虫は宿主をどんどん変えて生き抜いていくんですね。。。
川のカニは生で食べないようにしましょう。
大複殖門条虫(だいふくしょくもんじょうちゅう)とは?症状と予防方法
川のカニに寄生する寄生虫ふたつめは「大複殖門条虫(だいふくしょくもんじょうちゅう)」です。「大複殖門条虫」によって起こる症状を「大複殖門条虫症(だいふくしょくもんじょうちゅうしょう)」と言います。
どんな虫?
白色で、アニサキスより少し大きい&太いのが特徴です。
どんな症状を引き起こす?
「大複殖門条虫」が体内に入ると「下痢」「便秘」「腹痛」などの症状を引き起こす可能性があります。とはいえ、症状が起きない場合も多いです。症状も軽いので、それほど深刻ではありません。
寄生された魚をヒトが食べることで発症することがあります。
予防方法は?
予防するには「55~60℃で5分以上加熱する」ことが有効です。また触った調理器具はキレイに洗うようにしましょう。
毛ガニに「ハリガネムシ」が寄生していたこともある
カニにアニサキスがいたという話は聞きませんが、毛ガニの甲羅のなかに「ハリガネムシ」という寄生虫が寄生していた事例があります。
15センチほどの長さなのでインパクトがありますが、人体には影響のない虫です。カニに寄生することじたい珍しく、日本でもほとんど報告されていません。
このように「ぜったいに寄生虫がいない」とは言い切れません。ですが、海のカニは人体に悪影響のある寄生虫はつきませんし、だいたいの寄生虫は加熱で死滅させることができます。
心配であれば、生で食べずにしっかり加熱すれば問題ありません。
カニ通販の刺身用はしっかりチェックされているから安心してね。
アニサキスの予防・対策方法は?
カニはアニサキスの心配がほぼありません。
・・・が!「万が一」ということもあります。激痛をともなうアニサキスは絶対に体内に入れたくないですよね。
アニサキスは体内に入ってしまうと手遅れですが、食べる前に予防すれば怖くありません。そこでアニサキスの被害を予防する方法を4つご紹介します。
- マイナス20℃以下で24時間以上冷凍する。
- 60℃以上で1分以上加熱する。
- 生で食べない。
- 養殖のものを選ぶ。
これさえ覚えておけば、アニサキスの被害をブロックできるよ。
1つずつ見ていきましょう。
①マイナス20℃以下で24時間以上冷凍する
アニサキスを殺す方法として、厚生労働省は「マイナス20℃以下で24時間以上冷凍すること」を推奨しています。
マイナス20℃ってめちゃくちゃ寒い!
アニサキスって冷凍したら死ぬんだね。よかった。
とはいえ、家庭用の冷凍庫は「マイナス18℃」が一般的なので、ちょっと温度が届きません。そのため、家の冷凍庫で冷凍する場合は48時間ほど冷凍するようにしましょう。
マイナス20℃なら24時間、マイナス18℃なら余裕をもって48時間冷凍すればOK!
②60℃以上で1分以上加熱する
60℃以上で1分以上加熱しましょう。そうするとアニサキスは死にます。
つまり、いつもどおりに魚を加熱調理するだけでOKですね。
焼き魚とか煮魚は問題ないってことだね。
③魚は生で食べない
冷凍や加熱していない魚は生で食べないようにするのがいちばんカンタンな予防法です。
ちなみに、回転寿司はしっかり対策をしているので心配しなくても大丈夫です。じっさい、大手の回転寿司チェーン「くら寿司」「スシロー」などでアニサキスの被害が出たことはないですよね。
回転寿司は魚をマイナス20℃以下で冷凍することがほとんどです。まずコレだけでアニサキスは死滅します。
それにくわえて「養殖の魚を使用」「目で見てチェック」などしっかり対策をしているので、安心して食べに行ってくださいね。
また、スーパーで見かける「刺身用」はだいたい一度冷凍しているので、アニサキスの心配はほとんどありません。釣ったばかりで冷凍していない場合は、一応チェックしたほうが良いですね。
新鮮な生魚はとても美味しいけど、アニサキスだけは気をつけようね。
④養殖のものを選ぶ
アニサキスは基本的に「養殖の魚」には寄生していません。
養殖の場合は「環境」や「食べるエサ」を独自に用意しています。つまり、アニサキスのいるエサ(オキアミなど)を食べることがないんですね。
アニサキスは外から体内に入ってくるので、養殖のように侵入経路をたてば感染される心配はありません。
天然のほうが良いって思ってたけど、こういうメリットがあるんだね。
ちなみに、アニサキスは切れたりすると死ぬのでかみくだくのもアリなのですが・・・なかなか難しいです。かみくだくのを想像すると気持ち悪いですしね。。。(^^;)
しっかりかんだとしても、アニサキスは小さくて細いのでスルーされて体内に入る可能性が高いです。
それと、アニサキスは刺激物をあたえても死にません。「お酢」や「わさび」で生魚をしめるとアニサキスが死ぬ・・・なんてことはないので気をつけましょう。「冷凍」か「熱湯」です!
まとめ
今回は「カニは生で食べられるのか?」「カニは危険な寄生虫がいるのか?」「カニはアニサキスは大丈夫なのか?」などについてまとめました。
- 海のカニは生で食べられる(鮮度は大事)。
- 海のカニ:人体に悪影響をおよぼす寄生虫はいない。
- 川のカニ:人体に悪影響をおよぼす寄生虫がいるので注意。
- カニなどの甲殻類や貝類はアニサキスが寄生しない。
- アニサキスは淡水では生きられないので川にはいない。
- アニサキスの予防①マイナス20℃以下で24時間以上冷凍。
- アニサキスの予防②60℃以上で1分以上加熱。
- アニサキスの予防③生で食べない。
- アニサキスの予防④養殖のものを選ぶ。