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【亜鉛の働き】1日の摂取量は?不足したらどうなる?【男女20~50代】

亜鉛の働きとは?1日の摂取量は?

  • 亜鉛の働きとは?
  • 亜鉛が不足すると起こる症状は?
  • 亜鉛の1日の摂取量(推奨量)は?
  • 現代人は亜鉛がどれくらい足りていないの?
  • 亜鉛をとりすぎるとどうなる?

亜鉛の働きは「皮膚や粘膜を健康にたもつ」「味覚を正常にたもつ」などです。不足すると味覚がおかしくなったり、皮膚に不調が起きたりする可能性があります。国の調査では、日本人の亜鉛の摂取量は推奨量にたいして足りていないという結果が出ています。

では「亜鉛は1日にどれくらい摂取すればいいのか?」「亜鉛にはどんな働きがあるのか?」「亜鉛が不足するとどうなるのか?」などを見ていきましょう。

亜鉛とは?ミネラルのひとつ

亜鉛とは「ミネラル」の一種です。ミネラルは五大栄養素のひとつで「身体をつくる材料」になったり「身体の調子をととのえる」働きがあります。

私たちの身体に必要なミネラルを「必須ミネラル」といいます。必須ミネラルは「多量ミネラル(体内に多く存在するミネラル)」「微量ミネラル(体内に少ししかないミネラル)」に分けられます。亜鉛は「微量ミネラル」です。亜鉛は体内に2gほどしか存在せず、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などにあります。

亜鉛は、体内に約2,000mg 存在し、主に骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに分布する。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

亜鉛の働き

亜鉛のおもな働きは下記です。

  • 味覚を正常にたもつ
  • 皮膚の健康をたもつサポート
  • 粘膜の健康をたもつサポート
  • たんぱく質の合成(=たんぱく質がつくられる)をうながす

ミネラルは「身体の調子をととのえる役割」があります。亜鉛も「皮膚や粘膜」「味覚」などを健康にたもち、身体に不調が起きないようにサポートしてくれるんですね。

私たちの身体は「水分」が約60%でいちばん多いですが、つぎに多いのは「たんぱく質」で約15~20%です。食事からたんぱく質を摂取すると、体内で一旦「アミノ酸」に分解されます。そのアミノ酸が色々と合成されて私たちの身体用に「体たんぱく質」がつくられます。

たんぱく質は身体を動かす大事なエネルギー源です。亜鉛は「体たんぱく質」がつくられるのをうながす働きがあるので、しっかり摂取したい栄養素のひとつですね。

亜鉛の生理機能は、たんぱく質との結合によって発揮され、触媒作用と構造の維持作用に大別される 45─47)。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。

出典:栄養素等表示基準値 (農林水産省)

亜鉛が不足すると起こる症状

亜鉛が不足すると、どうなるのでしょうか?起こりうる症状を見ていきましょう。

  • 皮膚炎
  • 味覚障害
  • 慢性の下痢
  • 免疫機能障害
  • 成長が遅れる
  • 性腺発育障害(せいせんはついくしょうがい)

舌には「味蕾(みらい)」という「味を感じる細胞」があります。亜鉛不足になると、味蕾の働きが悪くなるため、味を正常に感じられなくなるんですね。「何を食べても味がうすい」「食べ物の味が分からない」といった味覚障害が起こります。味覚障害の多くは亜鉛不足が原因だったりします。

また「性腺(せいせん)」とは精巣・卵巣のことです。成長の遅れなどはおもに子どもに見られる症状です。

亜鉛欠乏の症状は、皮膚炎や味覚障害、慢性下痢、免疫機能障害、成長遅延、性腺発育障害などである 48)。我が国の食事性亜鉛欠乏症は、亜鉛非添加の高カロリー輸液施行時 49)、低亜鉛濃度の母乳 50)や経腸栄養剤 51)での栄養管理時に報告されている。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

欠乏により小児では成長障害、皮膚炎が起こるが、成人でも皮膚、粘膜、血球、肝臓等の再生不良や味覚、嗅覚障害が起こるとともに、免疫たんぱくの合成能が低下する。

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

亜鉛の1日の推奨量は?いくら摂取すれば良い?

亜鉛は1日にどれくらい摂取するのが良いのでしょうか?厚生労働省が推奨する「亜鉛の1日の推奨量」を男女別に見ていきましょう。

亜鉛の推奨量【女性20代~50代】

年齢 【亜鉛】推奨量
(mg/日)
20代女性 11.0
30代女性 11.0
40代女性 11.0
50代女性 11.0

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

亜鉛の推奨量【男性20代~50代】

年齢 【亜鉛】推奨量
(mg/日)
20代男性 11.0
30代男性 11.0
40代男性 11.0
50代男性 11.0

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

亜鉛はどれくらい摂取できているのか?

私たちがふだんの食事でどれくらい亜鉛を摂取できているのか?平均値を見てみましょう。

亜鉛の摂取量の平均【女性20代~50代】

年齢 【亜鉛】摂取量
(mg/日)
20代女性 7.3
30代女性 7.3
40代女性 7.8
50代女性 7.5

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

亜鉛の摂取量の平均【男性20代~50代】

年齢 【亜鉛】摂取量
(mg/日)
20代男性 9.8
30代男性 9.1
40代男性 9.4
50代男性 9.2

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

亜鉛は推奨量と比べてどれくらい足りていないのか?

亜鉛の摂取量はどれくらい足りていないのでしょうか?「摂取量(摂取できている量)」と「推奨量(これくらい摂取したほうがいいよ、という量)」を比べました。わかりやすいように棒グラフで見ていきましょう。

亜鉛「摂取量」と「推奨量」の比較【女性20代~50代】

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代女性の「亜鉛不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代女性:9.0%亜鉛不足(推奨量の91%しか摂取できていない)
  • 30代女性:9.0%亜鉛不足(推奨量の91%しか摂取できていない)
  • 40代女性3.0%亜鉛不足(推奨量の97%しか摂取できていない)
  • 50代女性:7.0%亜鉛不足(推奨量の93%しか摂取できていない)

数値でみると「20~30代女性」がとくに「亜鉛不足(9.0%不足)」となっています。推奨量の91%しか亜鉛を摂取できていません。

亜鉛「摂取量」と「推奨量」の比較【男性20代~50代】

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代男性の「亜鉛不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代男性:11%亜鉛不足(推奨量の89%しか摂取できていない)
  • 30代男性:18%亜鉛不足(推奨量の82%しか摂取できていない)
  • 40代男性15%亜鉛不足(推奨量の85%しか摂取できていない)
  • 50代男性:17%亜鉛不足(推奨量の83%しか摂取できていない)

数値でみると「30代男性」がとくに「亜鉛不足(18%不足)」となっています。推奨量の82%しか亜鉛を摂取できていません。

亜鉛不足の解消法は?

「亜鉛不足」の解消法は「亜鉛を多く含む食品」を食べることです。「亜鉛を多く含む食品」は、たとえば下記があります。

  • 牡蠣(かき)
  • 豚レバー
  • からすみ(ボラ)
  • ビーフジャーキー
  • 牛肉
  • 抹茶
  • 小麦はいが
  • かぼちゃ
  • ピュアココア

亜鉛の上限量は?とりすぎるとどうなる?

亜鉛はとりすぎるのもよくありません。とりすぎると下記のような症状が起こる可能性があります。

  • スーパーオキシドジスムターゼ活性の低下(銅の吸収阻害が原因)
  • 貧血(鉄の吸収阻害が原因)
  • 胃の不快感

亜鉛をとりすぎると、鉄や銅の吸収率が下がるんですね。その結果、鉄不足や銅不足になってしまうことも。とはいえ、ふだんの食事で亜鉛をとりすぎることはほとんどないので、あまり悩まなくても大丈夫です。注意すべきは「亜鉛サプリメントのとりすぎ」ですね。

亜鉛の推奨量は男女ともに1日10mg以下です。「亜鉛サプリメント50mg」を12週間ほどつづけて飲んだ場合に症状があらわれたという報告があるので、上限量を超えないように気をつけましょう。

平成 28年国民健康・栄養調査における日本人成人(18歳以上)の亜鉛摂取量(平均値±標準偏差)は8.8±2.8mg/日(男性)、7.3±2.2mg/日(女性)であり、通常の食品において過剰摂取が生じることはなく、サプリメントや亜鉛強化食品の不適切な利用に伴って過剰摂取が生じる可能性がある。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

大量の亜鉛の継続的摂取は、銅の吸収阻害による銅欠乏がもたらすスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性の低下 67)、鉄の吸収阻害が原因の貧血 68)、さらに胃の不快感 69)などを起こす。18 人のアメリカ人女性(25〜40 歳)において、亜鉛サプリメント50mg/日の12週間継続使用が血清HDLコレステロールの低下 70)、10 週間継続使用が血清フェリチン、ヘマトクリット、赤血球SOD活性の低下、血清亜鉛増加 71)を起こしている。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

健康に害が起こるのを防ぐために決められた摂取量を「耐容上限量(たいようじょうげんりょう)」といいます。1日の摂取量が「耐容上限量」を超えないように気をつければ亜鉛のとりすぎで起こるリスクを防げるので、参考にしましょう。

亜鉛の耐容上限量【女性20代~50代】

年齢 【亜鉛】耐容上限量
(mg/日)
20代女性 35
30代女性 35
40代女性 35
50代女性 35

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

亜鉛の耐容上限量【男性20代~50代】

年齢 【亜鉛】耐容上限量
(mg/日)
20代男性 40
30代男性 45
40代男性 45
50代男性 45

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

まとめ

今回は亜鉛について「働き」「不足したときの症状」「1日の摂取量(推奨量)」などについてご紹介しました。亜鉛は皮膚や粘膜、味覚などを正常にたもつ働きがあります。何を食べてもうすく感じたり、食べ物の味が分からないなど「味覚がおかしいな」と感じる場合は亜鉛不足の可能性があります。

ご飯を美味しく食べるためにも、亜鉛をしっかり摂取しましょう。