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【ビタミンDの働き】1日の摂取量は?不足したらどうなる?【男女20~50代】

ビタミンDの働きとは?1日の摂取量は?

  • ビタミンDの働きとは?
  • ビタミンDが不足すると起こる症状は?
  • ビタミンDの1日の摂取量(目安量)は?
  • 現代人はビタミンDがどれくらい足りていないの?
  • ビタミンDをとりすぎるとどうなる?

ビタミンDの働きは「カルシウムの吸収をうながす」「リンの吸収をうながす」などです。不足すると骨がもろくなったり、骨折のリスクが上がる可能性もあります。国の調査では、日本人のビタミンD摂取量は目安量にたいして足りていないという結果が出ています。

では「ビタミンDは1日にどれくらい摂取すればいいのか?」「ビタミンDにはどんな働きがあるのか?」「ビタミンDが不足するとどうなるのか?」などを見ていきましょう。

ビタミンDとは?脂溶性ビタミンのひとつ

ビタミンDは栄養素のひとつで「脂溶性(しようせい)ビタミン」です。脂溶性ビタミンの特徴はおもに下記3つです。

  • 水に溶けにくい
  • 油に溶けやすい
  • 熱に強い

水に溶けにくいので水洗いしてもビタミンが流れ出ることはなく、油に溶けやすいので油いためなど油といっしょに調理すると吸収率がアップします。

ビタミンDの働き

ビタミンDのおもな働きは下記です。

  • カルシウムの吸収をうながす
  • リンの吸収をうながす

ビタミンDはカルシウムの吸収をうながす働きがあります。つまり、骨づくりを助けるサポート的な役割があるということですね。 せっかくカルシウムを摂取しても、ビタミンDが不足していると吸収率が下がってしまいます。カルシウムをいっぱい摂取しているのに吸収されないのでは、もったいないですよね。

カルシウム・リンをしっかり吸収するためにも、ビタミンDをいっしょに摂取するのが大事です。

ビタミン D の主な作用は、ビタミン D 依存性たんぱく質の働きを介して、腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進することである。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。

出典:栄養素等表示基準値

ビタミンDは紫外線からもつくられる

ビタミンDは食事から摂取する以外に「紫外線をあびること」でもつくることができます。紫外線というのはつまり「日光」です。「日光浴」をすることで、体内にビタミンDがつくられるんですね。日光浴といっても、ふつうに外に出て日光をあびる感じでOKです。

どれくらいの時間、紫外線をあびればいいの?

紫外線の量は「天気」「地域」「季節」などによって大きく変わるので、一概にはいえません。

たとえば、7月の晴れた日を例にあげると・・・「沖縄」は最短だと「2分54秒」でビタミンDを「5.5µg」つくることができました。北海道は最短だと「4分36秒」で同じくビタミンDを「5.5µg」つくることができています。

ところが、冬になると晴れた日でも必要な日光浴時間が変わってきます。12月だと、ビタミンDを5.5µgつくるのに沖縄は最短で「7分30秒」北海道は最短でも「1時間16分24秒」かかっています。

ビタミンDを5.5µgつくるのに紫外線を何分あびればいいのか?「北海道(札幌)」「茨城県(つくば)」「沖縄(那覇)」をくらべた実験結果があるので、参考までに見てみましょう。

ビタミンDを5.5µgつくるのに必要な日光浴時間の例(夏/7月)

ビタミンDをつくるのに必要な日光浴時間_夏

※日本人の食事摂取基準(2020年版)「5.5µgのビタミンD量を産生するために必要な日照曝露時間(分)」を参考に作成

夏は天気の良い日だと紫外線も多いので、太陽が真上にくるお昼ごろなら3~4分でビタミンDを5.5µgつくることができています。いちばん長くかかっているのは北海道の15:00ごろですが・・・それでも13分ほどでビタミンDをつくることができるんですね。

たとえば外で洗濯物を干したり、買い物に行ったり、通勤したりするときに数分でも日光をあびればOKですね。

ビタミンDを5.5µgつくるのに必要な日光浴時間の例(冬/12月)

ビタミンDをつくるのに必要な日光浴時間_冬

※日本人の食事摂取基準(2020年版)「5.5µgのビタミンD量を産生するために必要な日照曝露時間(分)」を参考に作成

冬は日光も弱いので、夏よりもビタミンDづくりに時間が必要です。沖縄は日差しが強いので、天気の良いお昼ごろなら10分もかからずにビタミンDがつくられています。反対に、北海道は1時間以上かかっているのが分かります。

このように、天気や住んでいる地域によってビタミンDのつくられる時間が変わります。天気の良い日は積極的に外に出て、太陽の光を数分でもあびると良いですね。

ちなみに、上記の実験結果は「顔」と「両手の甲」を日光にあてた場合です。海のように身体全体を出す必要はないので安心してください。(^^;)

日照がビタミンDの栄養状態に及ぼす影響に関して、最近、10µgのビタミンD産生に必要な日照量は、600cm2(顔面及び両手の甲の面積に相当)の皮膚であれば、minimal erythemal dose(MED;皮膚に紅斑を起こす最小の紫外線量)の1/3と算出された 50)。すなわち、皮膚に有害な作用を起こさない範囲で、ビタミンD産生に必要な紫外線量を確保することは、現実的に可能であると考えられた。ただし、紫外線の照射は、緯度や季節による影響を大きく受ける。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンDが不足すると起こる症状

ビタミンDが不足すると、どうなるのでしょうか?起こりうる症状を見ていきましょう。

  • 骨軟化症のリスクが増える
  • 低カルシウム血症
  • 骨粗しょう症のリスクが増える
  • 骨折リスクが高まる

ビタミンD不足でいちばん心配なのは「カルシウム・リンの吸収率が悪くなること」です。カルシウムの吸収率が悪くなるとカルシウム不足にもつながるので注意しましょう。カルシウムは骨量をたもつのに必要な栄養素なので、不足すると骨がもろくなる可能性があります。

ビタミンDと骨折の関連は、日本の研究でも「関連あり」という報告が増えています。骨を元気にたもつには、カルシウムだけではなくビタミンDもしっかり摂取しないとダメだということですね。

ビタミンDが欠乏すると、石灰化障害(小児ではくる病、成人では骨軟化症)が惹起される。一方、欠乏よりは軽度の不足であっても、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、低カルシウム血症となる。これに伴い二次性副甲状腺機能亢進症が惹起され、骨吸収が亢進し、骨粗鬆症及び骨折のリスクとなる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンDが欠乏すると、小腸や腎臓でのカルシウム及びリンの吸収率が減少し、その結果、小児ではくる病、成人では骨軟化症の発症リスクが高まる。一方、成人、特に高齢者において、ビタミンD欠乏とはいえないビタミンD不足の状態であっても、それが長期にわたって続くと、骨粗鬆症性骨折のリスクが高まる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

近年我が国におけるコホート研究において、ビタミンD不足が骨折リスクであることを示す報告が増加している。長野県におけるコホート研究において、1,470人の閉経後女性(63.7±10.7歳)を平均7.2年間追跡した結果、血清 25─ヒドロキシビタミンD濃度が20ng/mL 未満の例は49.6%に見られ、血清25─ ヒドロキシビタミンD濃度が25ng/mL以上群に対し、25ng/mL未満群の長管骨骨折に対する相対危険率は2.20(95%信頼区間1.37〜3.53)であり、ビタミンD不足が骨粗鬆症性骨折リスクを増加させることが示された 42)。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンD不足は、特に大腿骨近位部骨折を含む、非椎体骨折のリスクを増加させる 54)。これらの骨折は、特に高齢者において発生する 54)。ビタミンDが不足状態にある例は、高齢者で特に多いことが日本人でも報告されている 42,55)。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンD不足はがんのリスクが上がるという研究報告もありますが、まだ科学的根拠は少ないようです。

近年ビタミンDに関しては、心血管系・免疫系などに対して、種々の作用が報告されている。また最近、我が国における代表的コホート研究であるJPHC研究において、ビタミンD不足は、発がんリスクを上昇させることが報告された 83)。しかし、目標量を設定できるだけの科学的根拠はないことから、設定を見送った。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

また、ビタミンDと「筋力維持」の関連性にも注目が集まっているようです。ビタミンD不足によって「転倒」のリスクが増える、という研究結果があります。まだ科学的根拠は少ないようですが・・・。

転倒することで骨折のリスクも増えるので、骨の健康のためにカルシウムとビタミンDをとりましょう。前述したとおり、ビタミンDは日光からもつくることができます。天気の良い日は外に出て散歩したり、軽く体操したりするのがオススメです。

最近ビタミンDの筋力維持における役割が注目され、ビタミンD不足は転倒のリスクであることが示されている。75 歳以上の日本人女性 1,393人を対象に、転倒を評価指標としたコホート研究において、ロジスティック回帰分析の結果、血清25─ヒドロキシビタミンD濃度が25ng/mL以上群に対して、その濃度が20ng/mL未満群では、転倒のオッズ比は有意に高かった 84)。椎体骨折以外の骨粗鬆症性骨折は、そのほとんどが転倒によって起こるので、ビタミンDは骨・骨格筋の両方に作用して、骨折予防に寄与している可能性が考えられる。しかし、フレイル予防を目的とした量を設定できるだけの科学的根拠はないことから、設定を見送った。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンDの1日の目安量は?いくら摂取すれば良い?

ビタミンDは1日にどれくらい摂取するのが良いのでしょうか?厚生労働省が推奨する「ビタミンDの1日の目安量」を男女別に見ていきましょう。

ビタミンDの目安量【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンD】目安量
(μg/日)
20代女性 8.5
30代女性 8.5
40代女性 8.5
50代女性 8.5

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

ビタミンDの推奨量【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンD】目安量
(μg/日)
20代男性 8.5
30代男性 8.5
40代男性 8.5
50代男性 8.5

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

ビタミンDはどれくらい摂取できているのか?

私たちがふだんの食事でどれくらいビタミンDを摂取できているのか?平均値を見てみましょう。

ビタミンD摂取量の平均【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンD】摂取量
(μg/日)
20代女性 8.5
30代女性 8.5
40代女性 8.5
50代女性 8.5

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

ビタミンD摂取量の平均【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンD】摂取量
(μg/日)
20代男性 5.9
30代男性 5.5
40代男性 6.4
50代男性 6.8

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

ビタミンDは推奨量と比べてどれくらい足りていないのか?

ビタミンDの摂取量はどれくらい足りていないのでしょうか?「摂取量(摂取できている量)」と「目安量(これくらい摂取したほうがいいよ、という量)」を比べました。わかりやすいように棒グラフで見ていきましょう。

ビタミンD「摂取量」と「目安量」の比較【女性20代~50代】

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代女性の「ビタミンD不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代女性:46%ビタミンD不足(推奨量の54%しか摂取できていない)
  • 30代女性:43%ビタミンD不足(推奨量の57%しか摂取できていない)
  • 40代女性38%ビタミンD不足(推奨量の62%しか摂取できていない)
  • 50代女性:37%ビタミンD不足(推奨量の63%しか摂取できていない)

数値でみると「20代女性」がとくに「ビタミンD不足(46%不足)」となっています。推奨量の54%しかビタミンDを摂取できていません。約半分ですね。

ビタミンD「摂取量」と「目安量」の比較【男性20代~50代】

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代男性の「ビタミンD不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代男性:31%ビタミンD不足(推奨量の69%しか摂取できていない)
  • 30代男性:36%ビタミンD不足(推奨量の64%しか摂取できていない)
  • 40代男性25%ビタミンD不足(推奨量の75%しか摂取できていない)
  • 50代男性20%ビタミンD不足(推奨量の80%しか摂取できていない)

数値でみると「30代男性」がとくに「ビタミンD不足(36%不足)」となっています。推奨量の64%しかビタミンDを摂取できていません。

ビタミンD不足の解消法は?

ビタミンD不足の解消法は「ビタミンDを多く含む食品」を食べること&「日光(紫外線)」をあびることです。

ビタミンD不足解消は食事と日光浴

「ビタミンDを多く含む食品」は、たとえば下記があります。

  • きくらげ
  • まいたけ
  • しいたけ
  • あんこうのきも
  • しらす干し
  • いわし

ビタミンDはキノコ類・魚介類に多いので、日光をあびる機会が少ない方は食事からビタミンDを摂取しましょう。日光浴の場合は太陽の光をあびるだけで良いので、食事よりも日光浴のほうがカンタンかもしれませんね。

ビタミンDの上限量は?とりすぎるとどうなる?

ビタミンDはとりすぎるのもよくありません。とりすぎると下記のような症状が起こる可能性があります。

  • 高カルシウム血症
  • 腎障害
  • 軟組織の石灰化

高カルシウム血症、軟組織の石灰化はカルシウムのとりすぎたときに起こりうる症状と同じです。腎障害とは腎臓の機能が低下してしまうことです。

ビタミン D の過剰摂取により、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化などが起こる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

多量のビタミンD摂取を続けると、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などが起こることが知られている。ビタミンD摂取量の増加に伴い、血清25─ヒドロキシビタミンD濃度は量・反応関係を有して上昇するが、血清25─ヒドロキシビタミンD濃度が上昇しても必ずしも過剰摂取による健康障害が見いだされない場合もある。そのため、ビタミンDの過剰摂取による健康障害は、高カルシウム血症を指標とするのが適当であると考えられる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

健康に害が起こるのを防ぐために決められた摂取量を「耐容上限量(たいようじょうげんりょう)」といいます。1日の摂取量が「耐容上限量」を超えないように気をつければビタミンDのとりすぎで起こるリスクを防げるので、参考にしましょう。

ビタミンDの耐容上限量【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンD】耐容上限量
(μg/日)
20代女性 100
30代女性 100
40代女性 100
50代女性 100

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/食事でビタミンDを摂取する場合の上限

ビタミンDの耐容上限量【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンD】耐容上限量
(μg/日)
20代男性 100
30代男性 100
40代男性 100
50代男性 100

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/食事でビタミンDを摂取する場合の上限

紫外線のあびすぎはビタミンDのとりすぎになる?

紫外線をあびすぎてもビタミンDのとりすぎにはならないので安心してください。紫外線をあびることで皮膚にビタミンDがつくられますが、必要以上につくられないように調節されているんですね。

というワケで・・・ビタミンD不足が心配な場合は、ビタミンDのとりすぎは気にせずに日光浴しましょう。とはいえ、紫外線をあびすぎるのもお肌によくないですよね。天気のいい夏の日は数分でビタミンDがつくられるので、ほどほどに日光浴を楽しみましょう。

紫外線による皮膚での産生は調節されており、必要以上のビタミンDは産生されない。したがって、日照によるビタミンD過剰症は起こらない。また、ビタミンDは、肝臓及び腎臓において活性化(水酸化)を受けるが、腎臓における水酸化は厳密に調節されており、高カルシウム血症が起こると、それ以上の活性化が抑制される。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

まとめ

今回はビタミンDについて「働き」「不足したときの症状」「1日の摂取量(目安量)」などについてご紹介しました。ビタミンDは「カルシウム」「リン」の吸収率をアップするのに必要な栄養素です。不足するとカルシウム不足や骨折につながる可能性が増えるので、しっかり摂取していきたいですね。

ビタミンDは食事だけでなく、紫外線をあびることでも皮膚につくられます。晴れた日は外に出て、適度に日光浴を楽しむのがオススメです。日光浴は心も身体もリラックスできますし、ビタミンD不足も解消できて一石二鳥ですよ。(^^)