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【ビタミンAの働き】1日の摂取量は?不足したらどうなる?【男女20~50代】

ビタミンAの働きとは?1日の摂取量は?

  • ビタミンAの働きとは?
  • ビタミンAが不足すると起こる症状は?
  • ビタミンAの1日の摂取量(推奨量)は?
  • 現代人はビタミンAがどれくらい足りていないの?
  • ビタミンAをとりすぎるとどうなる?

ビタミンAの働きは「皮膚や粘膜の健康をたもつ」「目の健康をたもつ」などです。不足すると皮膚や目にトラブルが起こる可能性もあります。国の調査では、日本人のビタミンA摂取量は推奨量にたいして足りていないという結果が出ています。

では「ビタミンAは1日にどれくらい摂取すればいいのか?」「ビタミンAにはどんな働きがあるのか?」「ビタミンAが不足するとどうなるのか?」などを見ていきましょう。

ビタミンAとは?脂溶性ビタミンのひとつ

ビタミンAは栄養素のひとつで「脂溶性(しようせい)ビタミン」です。脂溶性ビタミンの特徴はおもに下記3つです。

  • 水に溶けにくい
  • 油に溶けやすい
  • 熱に強い

水に溶けにくいので水洗いしてもビタミンが流れ出ることはなく、油に溶けやすいので油いためなど油といっしょに調理すると吸収率がアップします。ほかにも「ビタミンD」「ビタミンE」「ビタミンK」も脂溶性ビタミンです。ちなみにいちばん知られているであろう「ビタミンC」は「水溶性ビタミン」なので、同じビタミンでも特徴が違います。

ビタミンAの働き

「ビタミンA」のおもな働きは下記です。

  • 皮膚の健康をたもつ
  • 粘膜の健康をたもつ
  • 目(視覚)の健康をたもつ
  • 生殖機能をたもつ
  • 成長をうながす
  • 感染を予防する

ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

出典:厚生労働省HP「規格基準等

レチノールは主として動物性食品に含まれる。生理作用は、視覚の正常化、成長及び生殖作用、感染予防等である。

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

緑黄色野菜に多く含まれるビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を維持するのに欠かせません。

出典:農林水産省HP みんなの食育

厚生労働省の資料では上記のような働きが記載されています。ビタミンAが不足すると免疫機能が低下したり粘膜上皮が乾燥するおそれがあるので、感染予防もビタミンAの働きのひとつに入っています。・・・が、ビタミンAを摂取したからといって100%感染症にかからないというわけではないので、極端に考えるのはやめましょう。とはいえ、健康で生きるためにはビタミンAは必要です。

ビタミンAを摂取することで「皮膚」「粘膜」「目」などを健康にたもつ助けになります。感染予防の助けにもなります。逆にいえば、ビタミンAが不足すると「皮膚」「粘膜」「目」の健康がたもてなくなるということです。ビタミンAが不足するとどうなるのか?起こりうる症状を見ていきましょう。

ビタミンAが不足すると起こる症状

ビタミンAが不足すると、どうなるのでしょうか?起こりうる症状を見ていきましょう。

  • 暗いところで目がみえにくくなる(夜盲症)
  • 皮膚が乾燥する
  • 目が乾燥する
  • 皮膚が厚くなる
  • 皮膚が角質化する
  • 免疫機能が低下する(=感染症にかかりやすくなる)
  • 粘膜上皮が乾燥する(=感染症にかかりやすくなる)
  • 生殖機能が落ちる
  • 成長がさまたげられる
  • 骨の発達がおさえられる
  • 神経の発達がおさえられる

「ビタミンA」は皮膚や粘膜の健康をたもつ役割があるので、不足すると目や皮膚に不調が起きるおそれがあるんですね。分かりにくいのは「皮膚の角質化」ですね。どういう症状か、カンタンに見ていきましょう。

「皮膚の角質化」とは?

皮膚の角質化=カンタンにいうと「皮膚が硬く、厚くなる」イメージです。肌がゴワゴワして化粧水が浸透しにくいとか、足のかかとが硬くてガサガサしているなど・・・。

これらはビタミンA不足による「角質化」が原因の場合もあります(ビタミンA不足が原因!と100%言い切ることはできませんが)。

暗いところで目が見えにくくなる「夜盲症(やもうしょう)」についても見ていきましょう。

「夜盲症(やもうしょう)」とは?

暗いところで目が見えにくくなるのが「夜盲症」です。

たとえば、真っ暗な夜道や、うす暗いトンネルを想像してください。人間の目は「暗闇でもだんだんうっすら見えてくる」のが普通です。そのようにできています。しかし夜盲症はずっと見えないままなんですね。

「粘膜上皮の乾燥」についても、もう少しくわしく見ていきましょう。

「粘膜上皮(ねんまくじょうひ)の乾燥」とは?

粘膜上皮とは、粘膜をつくっている上皮のことです。粘膜とは粘液によって潤っている、湿り気のある場所です。たとえば「口のなか」「鼻のなか」「目」「耳のなか」「のど」「デリケートゾーン」などが粘膜です。

よく「乾燥すると風邪をひく」と言ったりしますよね。粘膜が乾燥すると、ウイルスなどをブロックする力が弱くなるので、感染症などにかかりやすくなると言われているんですね。ノドが乾燥するとイガイガしたりしますもんね。。。

欠乏により生殖不能、免疫力の低下、夜盲症、眼球乾燥症、成長停止等が起こることが、過剰により頭痛、吐き気、骨や皮膚の変化等が起こることがそれぞれ知られている。

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ビタミン A が欠乏すると、乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では眼所見として暗順応障害が生じ、やがて夜盲症になる。角膜上皮や結膜上皮の角質化によって角膜や結膜が肥厚し、ビトー斑という泡状の沈殿物が白眼に現れる。また、皮膚でも乾燥、肥厚、角質化が起こる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンAの典型的な欠乏症として、乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では夜盲症を発症する。その他、成長阻害、骨及び神経系の発達抑制も見られ、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下 5)や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンA不足により免疫機能が低下する可能性もあるので、しっかり摂取していきたい栄養素です。免疫機能がアップすると風邪なども吹き飛ばしそうですね。

ビタミンA不足の症状はカンタンには出ない?

ビタミンA不足になると「免疫機能低下」などの症状が出る場合がありますが、そうカンタンに症状が出るほどのビタミンA不足になることはないようです。ビタミンAは摂取すると体内、おもに「肝臓」にたまります。肝臓にたまったビタミンAの量が「20µg/g以上」を維持していれば「免疫機能低下」「夜盲症」などの症状は出ないんですね。

例として、成人が4ヶ月ほどビタミンAを摂取していなくても、ビタミンA不足の症状は出なかったという結果があります。とはいえ、それは肝臓にたまったビタミンAが「20µg/g以上」だったからです。ビタミンAの摂取量ゼロが1年も2年もつづくと、とうぜんビタミンA不足におちいります。

つまり、症状が出るほどのビタミンA不足を防ぐには「最低限、肝臓のビタミンA量を20µg/g以上に維持すれば良い」ということです。肝臓のビタミンA量を「20µg/g以上」に維持するためには下記の「推定平均必要量」の数値を参考に摂取する必要があります。

ビタミンA推定平均必要量【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】推定平均必要量
(μgRAE/日)
20代女性 450
30代女性 500
40代女性 500
50代女性 500

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/βカロテンで摂取したぶんも含む

ビタミンA推定平均必要量【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】推定平均必要量
(μgRAE/日)
20代男性 600
30代男性 650
40代男性 650
50代男性 650

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/βカロテンで摂取したぶんも含む

「推定平均必要量」はあくまで最低限の数値です。厚生労働省は「できればこれくらいビタミンAを摂取したほうが良いよ」という「推奨量」を出しているので「推奨量」を参考にしましょう。症状が出ていないだけで、ビタミンAが推奨量より足りていない人は多いです。

成人が4か月にわたってビタミンAの含まれていない食事しか摂取していない場合でも、肝臓内ビタミンA貯蔵量が20µg/g以上に維持されていれば血漿レチノール濃度は正常値が維持される。すなわち、肝臓内貯蔵量の最低値(20µg/g)が維持されている限り、免疫機能の低下や夜盲症のような比較的軽微なビタミンA欠乏症状にも陥ることはない6,7)。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンAの1日の推奨量は?いくら摂取すれば良い?

ビタミンAは1日にどれくらい摂取するのが良いのでしょうか?厚生労働省が推奨する「ビタミンAの1日の推奨量」を男女別に見ていきましょう。

ビタミンA推奨量【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】推奨量
(μgRAE/日)
20代女性 650
30代女性 700
40代女性 700
50代女性 700

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

ビタミンA推奨量【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】推奨量
(μgRAE/日)
20代男性 850
30代男性 900
40代男性 900
50代男性 900

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

数値だけみてもピンときませんよね。(^^;)ですが、私たちが摂取できているビタミンAの量は、推奨量よりも少ないという調査結果が出ています(「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」より)

ビタミンAはどれくらい摂取できているのか?

私たちがふだんの食事でどれくらいビタミンAを摂取できているのか?平均値を見てみましょう。あくまで平均なので、中にはじゅうぶんにとれている人もいれば、ぜんぜん足りていない人もいます。とくに「一人暮らし」「仕事が忙しくてで栄養バランスを考えるヒマがない」「外食が多い」などの人はビタミンA不足の可能性も高いです。

ビタミンA摂取量の平均【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】摂取量
(μgRAE/日)
20代女性 447
30代女性 409
40代女性 458
50代女性 543

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

ビタミンA摂取量の平均【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】摂取量
(μgRAE/日)
20代男性 451
30代男性 474
40代男性 555
50代男性 528

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

ビタミンAは推奨量と比べてどれくらい足りていないのか?

ビタミンAの摂取量はどれくらい足りていないのでしょうか?「摂取量(摂取できている量)」と「推奨量(これくらい摂取したほうがいいよ、という量)」を比べました。わかりやすいように棒グラフで見ていきましょう。

ビタミンA「摂取量」と「推奨量」の比較【女性20代~50代】

ビタミンAの摂取量と推奨量のグラフ(女性)

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代女性の「ビタミンA不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代女性:32%ビタミンA不足推奨量の68%しか摂取できていない)
  • 30代女性:42%ビタミンA不足推奨量の58%しか摂取できていない)
  • 40代女性35%ビタミンA不足(推奨量の65%しか摂取できていない)
  • 50代女性:23%ビタミンA不足推奨量の77%しか摂取できていない)

数値でみると「30代女性」がとくに「ビタミンA不足(42%不足)」となっています。推奨量の58%しかビタミンAを摂取できていないので、約半分も足りていないことになりますね。

ビタミンA「摂取量」と「推奨量」の比較【男性20代~50代】

ビタミンAの摂取量と推奨量のグラフ(男性)

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代男性の「ビタミンA不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代男性:47%ビタミンA不足推奨量の53%しか摂取できていない)
  • 30代男性:48%ビタミンA不足推奨量の52%しか摂取できていない)
  • 40代男性39%ビタミンA不足(推奨量の61%しか摂取できていない)
  • 50代男性:42%ビタミンA不足推奨量の58%しか摂取できていない)

数値でみると「30代男性」がとくに「ビタミンA不足(48%不足)」となっています。推奨量の52%・・・つまり、約半分しかビタミンAを摂取できていないという結果になりました。

ビタミンA不足の解消法は?

「ビタミンA不足」の解消法は「ビタミンAを多く含む食品」を食べることです。「ビタミンAを多く含む食品」は、たとえば下記があります。

  • 鶏レバー
  • 豚レバー
  • 味付けのり
  • やつめうなぎ
  • 人参
  • うなぎ
  • ぎんだら
  • あなご

とくに「レバー」はビタミンAがとても多いです。ですが、ビタミンAはとりすぎてもよくないので「ビタミンA摂取のためにレバーを毎日食べる」などはNGです。ほかにも「カロテン」が豊富な「ほうれん草」などの野菜も、ビタミンA不足解消につながります。「カロテン」は体内で「ビタミンA」に変化するからです。しかもカロテンは「必要な分だけ(足りていない分だけ)ビタミンAに変化する」ので優秀です。

ビタミンAの上限量は?とりすぎるとどうなる?

ビタミンAは「脂溶性ビタミン」のため、体外に排出されず体内にたまります。「水溶性ビタミン」は水に溶けるので、尿といっしょに体外に出るのですが・・・。つまり、ビタミンAは余分にとりすぎても体外に排出されないということです。なので、ビタミンAはとりすぎもよくないんですね。

ビタミンAを大量にとりすぎた場合「頭痛」「吐き気」「骨の変化」「皮膚のトラブル」などが起こる可能性があります。また、6ヶ月以上もの長期間にビタミンAを大量にとり続けた場合は「脱毛」や「筋肉痛」などが起こることもあります。

とはいえ、ふだんの食事でビタミンAをとりすぎることはほとんどないので、あまり深刻に考えなくても大丈夫そうです。じっさい「令和元年 国民健康・栄養調査結果」では20~50代の男女ともに「ビタミンA不足」の結果が出ています。

そもそも、ビタミンAをとりすぎる原因は「ビタミンAが入ったサプリメントを大量に飲む」「レバーなどビタミンAが多く含まれている食べ物を大量に食べ続ける」です。

ビタミンAはもちろん大事ですが、何でも食べ過ぎはよくありません。ほどほどに美味しくいただきましょう。ビタミンAがすごく多い食品の代表格はレバーなので、レバーの食べ過ぎには気をつけましょう。

ビタミンAの過剰摂取による臨床症状では頭痛が特徴である。急性毒性では脳脊髄液圧の上昇が顕著であり、慢性毒性では頭蓋内圧亢進、皮膚の落屑、脱毛、筋肉痛が起こる。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

健康に害が起こるのを防ぐために決められた摂取量を「耐容上限量(たいようじょうげんりょう)」といいます。1日の摂取量が「耐容上限量」を超えないように気をつければビタミンAのとりすぎで起こるリスクを防げるので、参考にしましょう。

ビタミンAの耐容上限量【女性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】耐容上限量
(μgRAE/日)
20代女性 2,700
30代女性 2,700
40代女性 2,700
50代女性 2,700

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成/βカロテンで摂取したぶんは含まない

ビタミンA摂取量の耐容上限量【男性20代~50代】

年齢 【ビタミンA】耐容上限量
(μgRAE/日)
20代男性 2,700
30代男性 2,700
40代男性 2,700
50代男性 2,700

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成/βカロテンで摂取したぶんは含まない

まとめ

今回はビタミンAについて「働き」「不足したときの症状」「1日の摂取量(推奨量)」などについてご紹介しました。ビタミンAを4ヶ月とらなくてもビタミンA不足の症状は見られなかったということで、すこしホッとしました。

とりすぎはよくないですが、できるだけ「推奨量」に近づくように、いろいろな食べ物を食べてビタミンAを摂取していきたいですね。