「新型コロナウイルス」の感染者が増えているため、人が多い場所に行くのが心配な方も多いと思います。
とはいっても・・・生活するうえで、人が多い場所を避けるのも難しいですよね。
「新型コロナウイルスはどうやって感染するの?」「集団感染しやすい場所はどこなんだろう?」と気になったので、下記について調査してみました。
- 新型コロナウイルスに集団感染しやすい場所はどこ?
- そもそもどうやって感染するのか?
- 空気感染はするのか?
- 飛沫感染と空気感染のちがいって?
- 感染リスクを減らすにはどうすればいいの?
- 新型コロナウイルスに感染しにくい場所はどこ?
目次
【新型コロナウイルス】集団感染しやすい場所はどこ?
新型コロナウイルスに集団感染しやすい場所について、厚生労働省や専門家の方々が説明されていたことをまとめました。
1.換気が悪い(密閉空間)
つまり「風通しが悪い」「空気の入れ換えができない(ほとんどない)空間」ですね。
2.人が密集して過ごしている
たくさんの人が集まって、手が届くような近い距離で会話などしている場合がとくに感染リスクが高まります。
3.不特定多数の人が接触する
不特定多数の人が接触することで接触感染、飛沫感染の可能性が高くなります。
まとめると「換気が悪く、多くの人が集まって過ごしている密閉空間」がとくに感染リスクが高いようです。
厚生労働省や感染症にくわしい専門家の方々によると、たとえば下記のような場所が当てはまるとのことです。
✅ライブハウス
✅カラオケボックス
✅クラブ
✅スポーツジム
✅雀荘
✅スキーのゲストハウス
✅密閉された仮設テント
✅屋形船(クルーズ船)
✅ビュッフェ
✅立食パーティ
✅自宅での大人数の飲み会
たしかに、どれも「換気がよくない、人が集まる密閉空間」ですよね。。。
もちろん100%感染するわけではありませんが、これらの場所が感染する可能性が高いので注意といわれるのは、なんとなく分かりますよね。
じっさいに「ライブハウス」「屋形船」「クルーズ船」など、同じ空間にいた複数の方が、同時に感染している事例があります。
また「満員電車」については、上記でまとめた場所に比べれば感染リスクは低いとのことでした(ゼロではないですが)。
満員電車は基本みんな「無言」なので、飛沫感染のリスクは減ります。
駅にとまるごとに扉が開きますし、人の入れ替わりもあるので、完全な密閉空間ではないのも「感染リスクが低い」といわれる理由のようです。
人が密集している閉鎖空間で感染リスクが高いことは事実ですが、とくに至近距離で会話したり、歌を歌うなど飛沫が飛ばなければ、電車内でもそこまで気にすることはないようですね。
もし電車内に感染者がいて、マスクなしで咳をすれば飛沫感染のリスクもありますが、それを避けることは難しいですね。。。
また「手すり」や「つり革」を触った場合は接触感染のリスクもあるので、顔を触る前に手洗いをしましょう。
感染対策のプロである聖路加国際病院、QIセンター感染管理室マネジャーの坂本史衣さんは下記のように話されていました。
満員電車で皆が喋っていたり、歌っていたり、叫んでいたりすれば電車はリスクのある場所ですが、普通みんな無言ですよね。なので、たしかに換気は悪いし、人との距離は近いけれども、上で挙げられている場所に比べればまだリスクは低いと思います。
ただ、リスクをより下げるために時差通勤するなどの対策が望ましいと考えられていると捉えています。
出典:Buzz Feed(https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/covid19-0304)
感染症にくわしい、近畿大学病院感染対策室の吉田耕一郎教授は下記のように話されていました。
「限られた空間で、空気の流れが乏しい中で、多くの人が歌ったり声を上げたりしていたと思う。周囲に飛まつが飛んで感染が起こりやすい状況だったのではないか」と指摘しました。
そして、「感染が広がるリスクが高い場所として、密閉されていて、たくさんの人が集まる場所が挙げられるので、1人1人が人混みを避けることが最も大切だ。屋内のイベントを自粛して、開催される場合でも参加人数を抑えたほうがいい」と指摘しました。出典:NHK NEWS WEB(https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200302/2000025956.html)
厚生労働省のホームページでは、下記のように記載されています。
規模の大小に関わらず、風通しの悪い空間で人と人が至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かないこと(例えば、ライブハウス、カラオケボックス、クラブ、立食パーティー、自宅での大人数での飲み会など
出典:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html)
厚生労働省の作成した資料では、下記のように記載されています。
これまでに国内で感染が明らかになった方のうちの8割の方は、他の人に感染させていません。
一方、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどでは、一人の感染者が複数に感染させた事例が報告されています。
このように、集団感染の共通点は、特に、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」です。出典:厚生労働省資料(www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601720.pdf)
クラスター発生場所はどこ?
「クラスター」とは「5人以上の小規模な感染者集団」のことですね。
厚生労働省の発表しているクラスターマップによると、現時点では下記の場所でクラスターが発生しているようです(2020年3月17日時点)。
北海道
・ライブバー
・展示会
新潟県
・卓球スクール
東京都
・屋形船
千葉県
・スポーツジム
・福祉施設
神奈川県
・福祉施設
愛知県
・スポーツジム
・福祉施設
大阪府
・ライブハウス
兵庫県
・医療機関
・福祉施設
そもそもどうやって感染するのか?感染経路
「新型コロナウイルス」の感染経路は、現時点で下記の2つです(2020年3月17日時点)。
1.飛沫感染(ひまつかんせん)
「飛沫」とは「咳・くしゃみをしたときに口から飛び散る小さな水滴」です。
その水滴の中にウイルスがふくまれている場合、近くにいた人がそのウイルスを吸い込むことで感染します。
・感染者が咳やくしゃみをする。
↓
・空気中に飛沫が飛び散る。
↓
・同時にウイルスも飛び散る。
↓
・感染していない人がウイルスを吸い込む(=感染リスクあり)。
これが「飛沫感染」なんですね。
たとえば、ライブハウスやカラオケボックスでは、至近距離で会話したり歌ったり声を出したりしますよね。
もし感染者がいる場合、ツバなどが飛んで「飛沫感染」する可能性があるということですね。
2.接触感染(せっしょくかんせん)
「接触感染」は下記のように、間接的にも起こります。
・感染者が咳やくしゃみをしたときに手で押さえる。
↓
・手にウイルスが付く。
↓
・そのまま他の物に触る。
↓
・触った物にウイルスが付く。
↓
・感染していない人が同じ物を触る。
↓
・そのまま顔を触る(=感染リスクあり)。
このように、感染者と直接的に接触していなくても感染してしまう可能性があります。
ウイルスが付いた手で握手をした場合なども同じです。
そのため、専門家の方々は「こまめに手洗いをしましょう」と呼びかけているのですね。
ウイルスは「目」「鼻」「口」などの粘膜をとおして入り込みます。
手に付いただけでは感染しないので、手洗いやアルコール消毒でウイルスを消してしまえば問題ありません。
ウイルスは「つり革」「ドアノブ」「エスカレーターの手すり」「スイッチ」などに付きやすいので、そのような物を触った場合は顔を触る前に手洗いをしてださいね。
新型コロナウイルスは空気感染しない?
厚生労働省によると、現時点では「新型コロナウイルスは空気感染しない」とのことです(2020年3月3日時点)。
国内の感染状況を見ても、空気感染は起きていないと考えられるものの、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがあります。
出典:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q13)
ただ「密閉空間において、近い距離で多くの人と会話などした場合」は、咳やくしゃみをしていなくても感染リスクがある、ということも書かれています。
ハッキリと「空気感染している」と断言するような情報は今のところないようですが、感染経路が不明な方もいるのでこのような認識なのかも?しれません。
飛沫感染と空気感染のちがいは?
「飛沫感染」と「空気感染」のちがいは何なのでしょうか?
カンタンにいうと「飛沫感染」は2メートルしか飛沫が飛ばずすぐに地面に落ちるのに対し「空気感染」は飛沫核が空気中を長時間ただよって遠くまで飛んでいく、ということです。
>>飛沫感染の特徴
・飛沫は最長2メートルしか飛ばない。
・飛沫が空気中に長くとどまることはない。
・飛沫は水分をふくんでいるのですぐ地面に落ちる。
つまり「飛沫感染」の場合は、2メートル以上、感染者と離れていれば感染リスクはないということになります。
>>空気感染の特徴
・飛沫の水分が蒸発して「飛沫核」となる。
・飛沫核は水分がないので空気中に長くとどまる。
・飛沫核は水分がないので遠くまで飛んでいく。
「飛沫」の水分が蒸発した小さな粒子を「飛沫核(ひまつかく)」と言います。
感染者と離れていても、水分のない粒子(飛沫核)が遠くまで飛んできて感染してしまう・・・これが「空気感染」なんですね。
空気感染するものは「結核」「はしか」「水ぼうそう」があります。
感染リスクを減らすにはどうしたら良いの?
感染したくないのはみんな同じです。
感染リスクを減らすにはどうしたら良いのでしょうか。
密閉空間は避ける
本当ならば「密閉空間」をできるだけ避けることが1番です。
・・・が、通勤で電車やバスなどを利用している方にとっては難しいですよね・・・。
新型コロナウイルスが収束するまでは「自分の車」で通勤するのも1つの手ですね。
今だけはライブなど、人が多く集まる密閉空間はガマンした方が感染リスクは減ります。
じっさいライブを中止にしているアーティストも多いですし、テーマパークも期間限定で閉園しているところがあります。
東京・千葉・大阪・北海道で閉園している大手テーマパークは「新型コロナで休園のテーマパーク一覧/東京・千葉・大阪・北海道」にまとめています(一部)。
中止・閉園は悲しいですが「行く」という選択肢が消えるので「行きたいけど感染が怖い・・・どうしよう・・・」と迷う必要がなくなりますよね。
アーティスト側、テーマパーク側は大きな損失もあると思うのですが、お客さんのことを第一に考えての「苦渋の決断」なので、こちらも一緒にガマンしましょう。
換気をする
感染リスクを減らすには「換気をすること」が有効のようです。
現時点では空気感染しないといわれているものの、換気して空気を入れ換えないと空気中にウイルスがただよいやすくなり、感染リスクが高まります。
タクシーや電車などでも、窓を開けると良いそうです。
タクシーは運転手さんと相談して実現できそうですが、電車は窓がない場合もありますし難しいかもしれませんが・・・。
とにかく、密閉空間では「空気を入れ換えること」ですね!
厚生労働省の作成した資料では、下記のように記載されています。
イベントを開催する方々は、風通しの悪い空間や、人が至近距離で会話する環境は、感染リスクが高いことから、その規模の大小にかかわらず、その開催の必要性について検討するとともに、開催する場合には、風通しの悪い空間をなるべく作らないなど、イベントの実施方法を工夫してください。
出典:厚生労働省資料(www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601720.pdf)
会話するときは距離をとる
「飛沫感染」の場合、飛沫の最大飛行距離は2メートルです。
つまり2メートル以上の距離をとっておけば、ウイルスを吸い込むこともないので、感染リスクも減ります。
咳やくしゃみが出る場合は、マスクをしましょう。
電車内でマスクなしに咳をした人が「なぜ咳が出るのにマスクをしないのか」と、他の乗客とケンカになった事例もあります。
今はみんな敏感になっているので、自分のためにも他人のためにも「咳エチケット」は大事です。
マスクの品薄状況については「マスク売り切れいつまで続く?いつまで品薄?日本製はどこで買えるか」にまとめています。

手をこまめに洗う
ウイルスは「接触感染」でも感染します。
たとえば「ドアノブ」や「手すり」「つり革」「買い物カート」などは不特定多数の人が触ります。
どこにウイルスが付いているか分からないので、公共のものを触ったときは「その手で顔に触らないように気をつけて、すみやかに手洗いをする」ことが大切です。
ウイルスが付いた手で顔を触ってしまうと「目」「鼻」「口」からウイルスが侵入してしまう可能性があります。
正しい手洗い方法は「新型コロナウイルスの予防方法は?正しい手洗い方法実践が効果的?」にまとめています。

手洗いではなく「アルコール消毒」でもOKです。
とにかくウイルスを消滅させて、体内に侵入させないことが大切です。
マスクをつける
マスクは自分の飛沫が飛ぶのを防ぐのに有効ですね。
新型コロナウイルスは自覚症状のない「無症状感染者」も多く発生しています。
症状がないため、気づかないうちに感染して気づかないうちに治る、というパターンも多いようです。
マスクをしていれば、もし自分が感染者であっても周りの人にうつすリスクが減らせます。
また、マスクをしていることでお互いに安心感がうまれるので、精神的にも良いですよね。
不意にくしゃみや咳が出てしまったときも、マスクをしていれば周りからの視線もマイルド(?)になります。
【新型コロナウイルス】感染しにくい場所はどこ?
厚生労働省や専門家の方によれば、下記のような場所・行動は感染リスクが低いとのことです。
✅散歩
✅屋外でのジョギング
✅買い物
✅美術鑑賞
✅図書館
症状のない元気な方であれば、人と濃厚に接触しなければ、そこまで怖がる必要はないということですね。
ふつうに一瞬すれ違ったりするだけでは感染しないので、つねに動き回るジョギングや、人と会話することのない美術鑑賞や図書館などが推奨されているようです。
散歩なども、外であればつねに空気が循環しているので感染リスクは低いとのことです。
家に閉じこもっているだけでは気が滅入ってしまうので、息抜きに「散歩」や「軽い運動」をしに行くと良いですね。
厚生労働省のホームページでは、下記のように記載されています。
ただし、症状のない方にとって、屋外での活動や、人との接触が少ない活動をすること(例えば、散歩、ジョギング、買い物、美術鑑賞など)、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染のリスクが低い活動です。
出典:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html)
感染症に詳しい近畿大学病院感染対策室の吉田耕一郎教授は下記のように話されています。
「家にいてもらうのが安全だが、晴れた日に屋外の公園で遊ぶのは、リスクが高いとは思わない。また、図書館も、間隔をとって座ったうえで、大声で話すようなことがなければ、差し支えないのではないか」と話していました。
出典:NHK NEWS WEB(https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200302/2000025956.html)
「映画館」について感染リスクがどうなのか?は「【新型コロナウイルス】映画館は大丈夫?感染リスクは?対処法も紹介」にまとめています。

まとめ
今回は「【新型コロナウイルス】感染しやすい場所・感染しにくい場所はどこ?」と題しまして、新型コロナウイルスに感染しやすい場所、感染しにくい場所などについてまとめてみました。
楽しみにしていたイベントやライブが中止になって悲しい思いをされた方もいらっしゃるかと思います・・・。
新型コロナウイルスは「SARS」「MERS」のように、収束はするでしょうから・・・それまで楽しみはとっておきましょう!
新型コロナウイルスがいつ収束するのか?予想については「新型コロナウイルスいつまで続く?収束する?SARSやMERSと比較」にまとめています。

いっこくも早く新型コロナウイルスが収束しますように・・・!