一人暮らしの栄養不足対策はコチラ

【カルシウムの働き】1日の摂取量は?不足したらどうなる?【男女20~50代】

カルシウムの働きとは?1日の摂取量は?

  • カルシウムの働きとは?
  • カルシウムが不足すると起こる症状は?
  • カルシウムの1日の摂取量(推奨量)は?
  • 現代人はカルシウムがどれくらい足りていないの?
  • カルシウムをとりすぎるとどうなる?

ルシウムは「骨」「歯」をつくるのに必須な栄養素です。骨量をたもつのにも必要なので、しっかりした骨をキープするために摂取していきたいですね。

カルシウムは骨や歯に関係することは知られていますが、細胞や筋肉にとっても重要な役割があります。それではさっそく「かカルシウムは1日にどれくらい摂取すればいいのか?」「カルシウムにはどんな働きがあるのか?」「カルシウムが不足するとどうなるのか?」などを見ていきましょう。

カルシウムとは?

カルシウムとは「ミネラル」の一種です。ミネラルは五大栄養素のひとつで「身体をつくる材料」になったり「身体の調子をととのえる」働きがあります。

私たちの身体に必要なミネラルを「必須ミネラル」といいます。必須ミネラルは「多量ミネラル(体内に多く存在するミネラル)」「微量ミネラル(体内に少ししかないミネラル)」に分けられます。カルシウムは「多量ミネラル」であり、体内にいちばん多く存在するミネラルです。

ほとんどのカルシウム(99%ほど)が「骨」と「歯」に存在しています。つまり、骨や歯にとってカルシウムは重要だということです。カルシウムの働きを見ると、やはり骨と歯をつくるのが大きい役割となっています。

カルシウムの働き

カルシウムのおもな働きは下記です。

  • 骨をつくる
  • 歯をつくる
  • 神経の刺激の伝達に関連している
  • 筋肉の収縮に関連している
  • 血液凝固に関連している
  • 細胞の情報伝達に関連している
  • 酵素の活性化に関連している
  • 体液のpH(水素イオン濃度)の調節に関連している
  • 骨量をたもつ

カルシウムは、骨や歯の主成分である以外に、神経の刺激の伝達や筋肉の収縮には必要であり、不足すると神経の興奮性が高まり、筋肉は弛緩する。また、血液凝固、細胞の情報伝達、酵素の活性化、体液の pH の調節等に関与している。

出典:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム

十分なカルシウム摂取量は骨量の維持に必要であり、骨量の維持によって骨折の発症予防が期待される 106)。しかしながら、前述のように、カルシウムの摂取量と骨折との関連を検討した疫学研究は多数存在するものの、その結果は必ずしも一致していない。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

カルシウム摂取量と骨量、骨密度、骨折との関係を検討した疫学研究をまとめたメタ・アナリシスによると、摂取量と骨量、骨密度との間には多くの研究で有意な関連が認められている 53─55)。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

「筋肉の収縮」「神経の刺激伝達」など、なんだか難しくて分かりにくいですね。。。どういう働きなのかカンタンに見ていきましょう。

骨や歯をつくり骨量をたもつ

カルシウムは骨と歯をつくる

「骨」「歯」のおもな成分がカルシウムです。そのため、丈夫な骨や歯をつくるにはカルシウムが欠かせないんですね。歳をとるにつれて骨量は減っていくので、骨量をたもつためにもカルシウムは大切です。

神経の刺激の伝達に関連

身体には神経がたくさんあり、神経をとおして「刺激」が脳に伝わります。たとえば「辛い」「おいしい」「痛い」「まぶしい」「うるさい」など・・・見たものや聞いた音、身体で感じたことなどが、刺激として神経をとおって脳に伝わるということですね。

筋肉の収縮に関連

筋肉の収縮とは「筋肉が縮むこと」です。たとえば、腕に力を入れて力こぶをつくると、筋肉が縮みます。筋肉が縮むことによって、私たちの身体は「力」が入るんですね。

筋肉の収縮

血液凝固(けつえきぎょうこ)

血液凝固とは、カンタンにいうと血液が固まることです。ケガをして血が出たとき、血液が固まることで止血できます。

細胞の情報伝達

私たちの身体はたくさんの細胞がありますが、生きるためには環境に適応しないといけません。細胞が外からの情報を受け取り、それに合わせて対応するんですね。

酵素の活性化

私たちの体内では、さまざまな化学反応が起こっています。化学反応とは、一言でいうと代謝(たいしゃ)です。食べ物を食べると、体内で分解されたり合成されたりして身体に必要なものがつくられます。これが代謝です。

化学反応が起こるのを手助けするのが「酵素」です。酵素の活性化とは、つまり酵素が元気に働くようになるということですね。

体内のpH(水素イオン濃度)の調節

「pH(ピーエイチまたはペーハー)」とは「水素イオン濃度」のことで、液体に「H+(水素イオン)」がどれくらい含まれているか?を示す単位です。

pH(水素イオン濃度)

液体は酸性・中性・アルカリ性に分けられます。「H+(水素イオン)」が多く含まれると酸性、「OH(水酸化物イオン)」が多く含まれるとアルカリ性、同じ量だと中性になります。

私たちの身体は60%ほどが「水分」です。体内の水分は「弱アルカリ性」にたもたれています。体内では酸性、アルカリ性のバランスが大事なので、調節機能が必須なんですね。カルシウムはおもに骨や歯のために必須な栄養素ですが、ほかにも細かな役割がいろいろあるんですね。

カルシウムが不足すると起こる症状

カルシウムが不足すると、どうなるのでしょうか?起こりうる症状を見ていきましょう。

  • 骨粗しょう症
  • 骨軟化症(こつなんかしょう)

カンタンにいうと「骨がもろくなる」「骨が弱くなる」ということです。骨折については「カルシウム摂取量と関係ないのでは」という研究報告もあるようで、一概にはいえないようですが・・・とはいえ、カルシウム摂取量と骨量については関連ありという報告が多いです。

なので、しっかりした骨をたもつためには、カルシウムは必要ですね。

欠乏症は、幼児ではくる病、成人では骨軟化症、骨粗しょう症がある。低カルシウム血症では、テタニーとなる。

出典:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム

カルシウムの欠乏により、骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化などを招くことがある。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

厚生労働省の資料では、カルシウム不足になると高血圧や動脈硬化を引き起こす可能性もあると記載されていましたが・・・同時に生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病・慢性腎臓病)との関連性は見られないとも記載されています。

生活習慣病との関連性が高いのは食物繊維のほうですね。

カルシウムと生活習慣病の関連については、前述したとおり、高血圧、脂質異常症、糖尿病及び慢性腎臓病とは特に強い関連は認められていない。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

カルシウムの1日の推奨量は?いくら摂取すれば良い?

カルシウムは1日にどれくらい摂取するのが良いのでしょうか?厚生労働省が推奨する「カルシウムの1日の推奨量」を男女別に見ていきましょう。

カルシウムの推奨量【女性20代~50代】

年齢 【カルシウム】推奨量
(mg/日)
20代女性 650
30代女性 650
40代女性 650
50代女性 650

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

カルシウムの推奨量【男性20代~50代】

年齢 【カルシウム】推奨量
(mg/日)
20代男性 800
30代男性 750
40代男性 750
50代男性 750

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

カルシウムはどれくらい摂取できているのか?

私たちがふだんの食事でどれくらいカルシウムを摂取できているのか?平均値を見てみましょう。

カルシウム摂取量の平均【女性20代~50代】

年齢 【カルシウム】摂取量
(mg/日)
20代女性 408
30代女性 406
40代女性 441
50代女性 472

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

カルシウム摂取量の平均【男性20代~50代】

年齢 【カルシウム】摂取量
(mg/日)
20代男性 462
30代男性 395
40代男性 442
50代男性 471

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

カルシウムは推奨量と比べてどれくらい足りていないのか?

カルシウムの摂取量はどれくらい足りていないのでしょうか?「摂取量(摂取できている量)」と「推奨量(これくらい摂取したほうがいいよ、という量)」を比べました。わかりやすいように棒グラフで見ていきましょう。

カルシウム「摂取量」と「推奨量」の比較【女性20代~50代】

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代女性の「カルシウム不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代女性:38%カルシウム不足(推奨量の62%しか摂取できていない)
  • 30代女性:38%カルシウム不足(推奨量の62%しか摂取できていない)
  • 40代女性33%カルシウム不足(推奨量の67%しか摂取できていない)
  • 50代女性:28%カルシウム不足(推奨量の72%しか摂取できていない)

数値でみると「20~30代女性」がとくに「カルシウム不足(38%不足)」となっています。推奨量の62%しかカルシウムを摂取できていません。

カルシウム「摂取量」と「推奨量」の比較【男性20代~50代】

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

20代~50代男性の「カルシウム不足」をパーセントで表すと下記のようになりました。

  • 20代男性:43%カルシウム不足(推奨量の57%しか摂取できていない)
  • 30代男性:48%カルシウム不足(推奨量の52%しか摂取できていない)
  • 40代男性42%カルシウム不足(推奨量の58%しか摂取できていない)
  • 50代男性:38%カルシウム不足(推奨量の62%しか摂取できていない)

数値でみると「30代男性」がとくに「カルシウム不足(48%不足)」となっています。推奨量の52%しかカルシウムを摂取できていません。

カルシウム不足の解消法は?

「カルシウム不足」の解消法は「カルシウムを多く含む食品」を食べることです。「カルシウムを多く含む食品」は、たとえば下記があります。

  • 干しえび
  • バジル(粉)
  • かたくちいわし
  • つくだ煮
  • タイム(粉)
  • セージ(粉)
  • 青汁(ケール)
  • ごま
  • ナチュラルチーズ
  • ろくじょう豆腐

カルシウムの上限量は?とりすぎるとどうなる?

カルシウムはとりすぎるのもよくありません。とりすぎると下記のような症状が起こる可能性があります。

  • 高カルシウム血症
  • 高カルシウム尿症
  • 軟組織の石灰化
  • 泌尿器系結石
  • 前立腺がん
  • 鉄や亜鉛の吸収障害
  • 便秘

高カルシウム血症とは、血液のなかのカルシウム濃度が高くなってしまうことです。カルシウム濃度が高くなると身体に不調があらわれます。また軟組織(なんそしき)とは「やわらかい組織」のことです。たとえば「皮膚」「血管」「脂肪」「筋肉」などです。石灰化というのは、カルシウムが沈着してしまうことです。ちなみに、骨や歯や爪などは硬組織(こうそしき)といいます。

ちょっと難しいですね。。。

ですが、ふつうの食事からカルシウムを摂取しすぎるということはほぼないので、あまり深刻に考えなくても大丈夫そうです。じっさい「令和元年 国民健康・栄養調査結果」では20~50代の男女ともに「カルシウム不足」の結果が出ています。気をつけるとすれば「カルシウム入りのサプリメントをとりすぎる」などですね。

耐容上限量は、日本人の通常の食品からの摂取で超えることはまれであるが、サプリメント等を使用する場合に注意すべきである。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

カルシウムの過剰摂取によって、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などが生じる可能性がある。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

カルシウムの過剰摂取によって起こる障害として、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などが挙げられる 52)。日本人の食事摂取基準 2010年版及び 2015年版では、最低健康障害発現量の決定にはミルクアルカリ症候群(カルシウムアルカリ症候群)の症例報告を参考にした。ミルクアルカリ症候群の症例報告を見ると、3,000mg/日以上の摂取で血清カルシウムは高値を示していた 52)。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版)

過剰症は、腎臓結石、軟骨組織石灰化症等がある。

出典:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム

健康に害が起こるのを防ぐために決められた摂取量を「耐容上限量(たいようじょうげんりょう)」といいます。1日の摂取量が「耐容上限量」を超えないように気をつければカルシウムのとりすぎで起こるリスクを防げるので、参考にしましょう。

カルシウムの耐容上限量【女性20代~50代】

年齢 【カルシウム】耐容上限量
(mg/日)
20代女性 2,500
30代女性 2,500
40代女性 2,500
50代女性 2,500

※「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」を参考に作成

カルシウム摂取量の耐容上限量【男性20代~50代】

年齢 【カルシウム】耐容上限量
(mg/日)
20代男性 2,500
30代男性 2,500
40代男性 2,500
50代男性 2,500

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に作成

「カルシウムのとりすぎ」といわれる量(耐容上限量)は「推奨量」の3~4倍です。じっさいは推奨量にも届いていない方が多いので、とりすぎよりも「カルシウム不足」のほうが注意ですね。

まとめ

今回はカルシウムについて「働き」「不足したときの症状」「1日の摂取量(推奨量)」などについてご紹介しました。カルシウムはじょうぶな骨や歯をたもつのに必要な栄養素です。

それにくわえて、細胞や筋肉の働きをサポートする役割もあるということが分かりました。とりすぎはダメですが、摂取量に近づけるように摂取していきましょう。